本郷台がフィルモアになった夜

 

9月27日土曜日、本郷台でTwilight Jazz Liveというイヴェントが行なわれた。

 

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これはSakae Open Cafeというイヴェントのなかのプログラムで……

 

横浜市栄区の京浜東北根岸線本郷台駅前に設置された1日だけの「オープンカフェ」に地元の商店が露店を出して地域住民が集まって楽しもうという趣旨の企画だったようだ。

そのメインイベントがTwilight Jazz Liveで、すでに何年か前から続いているらしい。ボクも近所に引っ越してきてから、このイヴェントの情報は耳にしていたのだが、今年になってようやく見に来ることができた。

 

出演するのはプロのジャズ系ミュージシャンで、4時からのステージと6時からのステージそれぞれ1組ずつ。

 

まず、4時からのステージに登場したのは、bohemianvoodooの4人組だ。

 

+ bohemianvoodoo official website +



 

2008年にデビューした彼らは、メロディアスなサウンドでストリートを席巻したバンドとして話題となり、ボクもライヴを観たいと思っていた。

 

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本郷台駅の改札を出たすぐの広場にステージは設置されていた。

30分ぐらい前を目安に出掛けていったのだけれど、すでに用意されていたベンチなどには多くの観客が陣取り、座れなかった。

このイヴェント、毎年楽しみにしている人も多いらしく、熱気が漂っていた。

 

最初の30分ほどは正面の後方で立って観ていたのだけれど、飲み物を買いに中座して、ステージ後方へ回ってみると、なかなか普段は見られないライヴの風景を体験できておもしろかった。

 

bohemianvoodooはもっとワイルドなサウンドなのかと思っていたのだけれど、すこぶるスタイリッシュでブルージーっぽさもあったりする。

満席の会場では数曲聴いて席を立つ人も多いのかと思っていたけど、意外にみんな音楽に集中している。このライヴを観るために集まってきたようだ。地元の人も楽しみにしているんだね。

 

ぐるっと周辺を回ってみたところ、本郷台駅前は団地が駅前に林立していて、土曜の午後にこんな大きな音を出すイヴェントって開催するのもたいへんだったんじゃないだろうかと心配してしまったのだけれど、客席のようすを観れば確実に愛されるイヴェントとして定着しているんじゃないだろうか。

1部は1時間半ほどで終了。

 

そしていよいよ、6時から登場するのはKANKAWA’s Special unit “The Happening”だ。

 

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地元栄区民のKANKAWAをリーダーに、類家心平、竹内直、本田珠也という超豪華ラインナップ。これがタダで観れちゃうというのだから、そりゃあ客席は大騒ぎさ(笑)。

やっぱり席は空かなかったので、まずはステージ脇からちょっと撮影させてもらった。うっかりストロボを焚いてしまった、スミマセン。。。

 

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買った飲み物とつまみをいただきながら聴いていたのがステージ裏。

特設ステージだったので、バックは開放。PAは前を向いていたので、こちらに聴こえるのはモニターの音だけだったけど、それでも十分迫力は伝わってきた。

 

 

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歩き回るKANKAWA。

 

実は、1部が終わった後にステージ脇のテント小屋の楽屋を覗いてみたらKANKAWAさんがいたので挨拶をしてきた。きょうはなにをするつもりなんですかと聞くと「いや、どないなるかわからん!」といつもの調子で答えてくれた(笑)。

 

ハモンドは重くて持ち込めず、キーボードだけという軽装備だったが、出てくる音は重量級。KANKAWAさんは類家さんに「きょうはストレートで吹いたらアカンぞ」と指示を出していたそうだ。つまり、トランペットの音はすべてエフェクターをかけろということだ。

そうなると勘のいい人は「マイルス・デイヴィスを狙ってるな」と気づくだろう。

そう、このステージはまるで1970年代マイルスの壮絶なフィルモアのステージを彷彿とさせるようなエレクトリカル・インプロヴィゼーションが展開され、会場には独特の緊張感が漂うことになったのだ。

演奏はブレイクなしでKANKAWAのわずかな合図によってメンバーが流れを変えていくというスタイル。

 

まったく愛想も遠慮もないステージだったが、客席もこれとしっかり向き合って、帰る人はほとんどいない。

 

ジャズ度高いぞ、栄区!