菅原正二『ジャズ喫茶「ベイシー」の選択』を読み終えて懐かしい気分に浸ってしまった

 

単行本刊行が1993年、文庫本になったのも2001年という古い本だ。

 

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たまたまネットで見つけて、購入することができた。いままで中古本が高値で手が出なかったのだけれど、とても安いものが出ていたのだ。ラッキー!

 

著者は……

 

1970年に岩手県一関市でジャズ喫茶「ベイシー」を開店し、ジャズとオーディオについて情報を発信し続けている人物。

 

残念ながらいまだこの聖地にボクは足を踏み入れられずにいるのだが。

 

例によってスキッゾイドなエピソードが満載の内容なのだが、こうした熱意が日本のジャズ文化を、ひいてはサブカルチャーと呼ばれるジャパン・カルチャーの根底を築き支えてきたことに気づくはずだ。

 

興味深いのは親交のあったミュージシャンとのエピソード。

 

それにしてもその範囲が広い。音楽の興味を含めて、「ベイシー」やその周辺にとどまっていないのだ。オーディオには固執するのに、ジャズには固執しない。いや、ジャズとはそういう魅力を放つものなのだからと言うべきか。

 

1980年代の熱気は、知る者にとってはノスタルジーにすぎず、知らない者にとっては意味がなくなりつつある。本書もある時期の文化を記録した歴史的書物となりつつあるのだろう。

 

 

 

そういえば、最近観ていておもしろかった「アオイホノオ」というドラマも、同じような温度感を感じていたのだが、1980年代の評価が客観的になってきて、描かれ方が(あるいは感じ方が)変わってきたということなのだろうか。

 

ドラマ24「アオイホノオ」:テレビ東京