ジャズとクラシックは脳の指に対する指令の違いという明確な科学的論証が出てきたようです

 

「同じ「ピアニスト」でもジャズとクラシックでは脳の使い方が違うことが判明」という記事に目を惹かれました。

 

 

ドイツのライプツィヒにある研究所による研究の紹介をしている記事です。

サンプルが「2年以上の経験を持つプロのジャズ・ピアニスト」というところがちょっと気になりますが(笑)。

 

テストは、ピアノの譜面台に置かれた端末の画面に映し出される鍵盤と手の動きに合わせて演奏をする、というもののようです。

この結果、ジャズを志す人とクラシックを志す人では、脳の反応が違ったということです。

おもしろいのは、この解説をしている部分。

クラシックでは主に楽譜を正しく演奏し、その上で個人的な表現を加えることが正しいとされているために、まずは指を正しく動かしてミスのない演奏をすることに主眼が置かれるということを意味しています。
一方、ジャズピアニストは主に「何を演奏するか」を念頭において演奏していることがわかっています。特に自由度が高いジャズという世界では、他のプレーヤーの演奏に自分をあわせることや、時には自分一人の演奏であってもその時の空気などによって演奏内容を変化させる必要があります。ジャズピアニストは脳の力を「演奏の柔軟性」に使っているとのことで、論文の主執筆者であるロバータ・ビアンコ氏は「実際に、ジャズのピアニストでは、ピアノの演奏時に柔軟的に和音を計画している神経の動きが見つかりました」と述べています。

これを要約すると、「ジャズは予期しない状況に直面しても、効果的な反応を優先させ、パフォーマンスを中断させないことに意識を集中させていた」ことになるでしょう。

一方でクラシックは、ミスをしないための最優先事項である運指に神経を集中させ、それが誤った運指であっても追従することをまっとうさせるという特性が発揮されたようです。

 

サンプル数が30例とかぎられているために、とても大雑把な「違い論」であるかとは思いますが、意外に急所を突いているような気がします。