CDが売れたの売れないの、アナログLPが復活してきてるかもだの、ダウンロードって伸びてるのなどなど、音楽業界で話題となるのはそのメディアと売上の関係だったはず。
ところがこの関係が最近崩れてきて、売上の軸がメディアではなくツアー興行とブランディングされた商品による収益だという話題の記事。
音楽業界はポスト・デジタルの時代 —— アーティストのブランド化支援する日本の動画メディアluteって?|BUSINESS INSIDER JAPAN
音源がオワコンという話題は新しいものではないけれど、ここで取り上げられているのがlute。
lute株式会社は、Media(メディア)、Ad Agency(アド・エージェンシー)、Artist BizDev(アーティスト・ビズデブ)の3つの部門を擁する「アーティストビジネス・カンパニー」です。
ミレニアル世代のユーザーと国内外のアーティストをつなぎ新たなビジネスモデルを構築することをミッションに掲げています。
luteホームページよりhttps://lutemedia.com
これだけだとかなり抽象的でわかりづらいので、補足すると、まずluteというのはウェブサイトをもたないメディアで、カルチャー系分散型動画メディアを標榜。
ウェブサイトをもたない代わりに、YouTubeを利用して、次世代を担うアーティストの映像作品を発表しているということです。
luteのコンセプションについては、社長の五十嵐弘彦さんのインタビュー記事があるので、そちらを参照してください。
これを読むと、ディストリビュータという意味合いが強かった従来のレーベルに対して、YouTubeというチャネルを利用することで、新たな“ダウンロード世代”にコミットできたことがうかがえます。
また、映像(つまりPV)がアプローチしやすいメディアとしてInstagramストーリーに注目していることも興味深いですね。
Instagramをチェックしてみましたが、おもしろいプラットフォームになりそうです。
アーカイブを目的とするのではなく、消えるコンテンツとして注目を集めるというアイデアは、ライヴのもっている希少性と並列できる、既成のメディアにはなかった付加価値でしょう。
これは、ライヴ映像のYouTubeアップを考え直すきっかけにもなるはず。