ライヴ業界が活況だからこそ考えたい“音楽の見せ方2.0”の必要性

 

日本のみならず世界的に活況が続いているといわれるライヴエンタメ業界。

マーケット規模が大きくなれば問題も比例して増えるということで、安全管理やチケット転売問題などに取り組む動きが世界的に活発になっているもよう。

 

 

この記事では、世界最大のイベントプロモーション会社”ライブ・ネイション”を例に、ビジネス構造を説明してくれています。

例えば、主な収益元として「ライブ興行収入」「スポンサーシップと広告」「チケット販売」「アーティスト・マネジメント」の4事業があり、それらを連携させることで収益化を図っていること。

主軸であるライヴ興行には、プロモーション戦略、SNS・動画メディアを通じたブランディング、ライブ会場運営、フェス開催が含まれ、これまでの独立したビジネスではなく、垂直統合型へ進化しなければ生き残れなくなっていること。

これにより複数のプロモーターの協業が活発化、結果的にファンの満足度が高まっている、と分析しています。

このあと、記事ではチケット転売問題とその解決について多くを割いていますが、ジャズ界に関しては残念ながらあまり影響がないテーマと言わざるを得ない部分。

ただ、チケットを取るハードルを下げる施策については、積極的に同調していただきたいところです。

また、ファンサービスを加速する手段として「テクノロジーを活用したシームレスなエンタメ体験としてファンに提供する流れが増える」という指摘は、大いに期待したいところ。

 

会場をプラットフォーム化させ、インフラとサービスの質と量を高めることで、来場者に充実した時間を過ごしてもらい、グッズや飲食の購買へつなげるための企業連携と施策を次々と進めている。

 

音楽業界でビジネス展望の話題になるとだいたいがフリーライドの不満に終始するきらいがあるのではないかと思うのだけれど、欲しいものには惜しみなくお金を払うのがファンの傾向であることをスタート地点としなければ建設的になりようがないですよね。

個人的には、異ジャンルの協業にありがちな「企画書と採算性の優先」をなんとかしなければと思ったりしています。

「お願いするからにはタダで帰すわけにはいかない」というスタンスはかっこいいように見えますが、昭和的な見栄であるような気もします。

三方一両損的な覚悟でパイを増やし、結果的にはマーケットを大きく育てる視点が欲しいところです。