暮れに立ち寄ると、看板の灯火が消えて、ドキッ。
貼り出してあった紙を読むと、厨房設備などを替える
ためにしばらく休むとのこと。年明けの15日という
ようなことが書いてあった。
それからほぼ1カ月、食べログでも再開を確認して、
週末にようやく再訪が叶いました。
夕方の6時前、すでに店内は混雑。客席のリニューアルは、
テーブルに目隠しがついたこと。
これなら、相席正面の人にも気を遣わなくて済みそう。
待つことしばし。
ようやく待望のご対麺、いや、ご対面(笑)
本日の、と言うかいつものオーダー、
かけあつの小、カシワ天。
ズズッとツユを啜ると、パチンという感じでアゴだしの
香りが鼻腔を襲撃する。柔らかめのうどんを箸でガシッと
掴み、おもむろに口へ放り込む。そうすると、口と鼻とで
出汁の香りが挟み撃ちして、
「あぁ、丸香にきたんだ」という実感が込み上げてくるのだ。
最後の1滴まで飲み干して、アツアツ柔らかの鶏の天ぷらも
堪能して、〆て600円しないとは……。
そして、丸香のうどんが違うにはここからなのだ。
店を出て、しばらく歩く。
およそ100メートルも行ったあたりだろうか、
ちょうどいつも金ペン堂のあたりまでくると、
口中にあの出汁の味が蘇ってくるのだ。
この瞬間こそ、至福のひととき!
あとは、語らずに、そのまま電車に乗り込む
というのが、最近のボクの作法となっているのです。
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