勝間和代『人生を10倍自由にするインターディペンデントな生き方』[reading memo]

SONYのリーダーで読んだ本をスクラップしておくことにする。キャプチャーすらないので、画面を写メした。

自立本と呼ぶことのできる一連の自己啓発系の先駆けというか元祖というか、いや、教祖かな(笑)。

要するに、一人前の社会人の定義をしてくれるわけだが、その説得力は本人のタレント的なキャラクターに左右されることになる。昔は加藤諦三先生など、「教授」という権威によって「道徳」や「人生の在り方」などが語られたわけだが、学歴社会が崩壊してしまった現在では、東大出身はもはやブランド化とならず、護送船団方式の日本企業さえ差別化されずに、競争主義を掲げる外資系で揉まれたことを勲章とする傾向が強まっている。これとて、結局は日本人のウィークポイントである「黒船効果」にほかならないと思うのだが…。

個人的に、勝間和代さんはやることはやっているし、多少のハヤトチリ(これはおそらく彼女の生まれ育ちに大きく関わっていることだと思う)はあるものの、その瞬発力と行動力は十分に傾聴に値する。

そう思うのもやはり、ブログなどで楽屋裏を公開しているからであって、これも一連のブランド化の重要な戦略に組み込まれているのだろう。

それにしても、「自分の中の貸借対照表」という表現はうまい言い換えだ。これまでなら「損得勘定で人と付き合う」ことは人間として恥ずべきことだと指導する人が多かった。しかし、それでは社会性を失い、結局は自身の信頼も失いかねないことを誰もが薄々気づいていたわけだ。それに切り込むための「言葉の武器」として、これは十分に効果があると思う。

最終的にはやっぱり指南されたくないという読後感が残るものの、読んでいて不快感はなく、むしろ「なるほど」という刺激が多くある。

もしかしたら、エンタテインメント作品として扱うほうが適している作家なのかもしれない。なんちゃって。