「GRAPHICATION」no.183(2012年11月発行)[reading memo]

「通常の市場経済を相手にしていると村は衰弱してしまう」

社会のモデルを考察する対談。

経済学者の中村達也氏と哲学者の内山節氏が「望む社会」について語り合っている。この言葉は、内山氏の発言。

中村氏がジェイン・ジェイコブズ氏を引用して、「地域の人たちが臨機応変につながりを持ちながら何かを作っていくというようなこと」をインプロビゼーションというジャズ用語に例えたことに触れ、それに対して「いい表現」と受けながらも、地方経済が自立することの難しさを指摘して、あえて問題提起として「通常の市場経済」を取り上げています。

これは、復興支援にも通じる重要な論点ではないでしょうか。

写真家で医師の栂嶺レイ氏の熊野を歩いての考察はとても刺激的です。

今回は、頭痛を治すというおまじないに関する三十三間堂にまつわる言い伝えについて、それぞれの土地に固有の事情を交えながら、信仰の中心に迫っていくというもの。

楊枝1本にもこんなドラマがあったんですね。

写真家の谷口雅さんの連載。

中国の反日でもに対する写真を通して見たメディア論。

写真家らしい、写真を撮るものの意識の変化を的確に読み取っています。

素人がどんどんネットというメディアを使って写真という自己表現ができる時代。メディア論も当然、変化していかなければ時代に対応できないということでもあるはずです。