罰当たりな我が身を反省して川崎大師で厄除けのお札をいただいてくることを思い立ったある寒い春の日

さて、普段はさっぱり神仏を足蹴にしてもへいちゃらな神経の持ち主だったりするのだが、「神仏に詣る」という自分の行動パターンに対してはなぜか嫌悪感を抱かないという、いかにも日本人らしい気質の持ち主だったりして、このところは混雑する初詣を避けて暮れに鎌倉の鶴岡八幡宮を詣でて悦にいっていたりするわけだが、たまに行ったことがない神社仏閣にも行きたくなり、「じゃあ、川崎大師に行こうか」ということを決めたのは前日の金曜日の夜だった。

朝起きるとどんよりとした曇り。天気予報では夜になると雨ということだったが、どうやら昼過ぎには降り出すんじゃないかと傘を持って出かけたのが正解という週末なものだから、電車もまあまあ空いている。

磯子で乗った根岸線を横浜で京急に乗り換え、京急川崎から大師線にまたまた乗り換えて着いたのが川崎大師駅。

途中の、京急川崎の次の港町(みなとちょう)駅の写真を撮りたかったのだが、失敗。この駅の壁に、「港町十三番地」の譜面が描かれていたのだ。ニュースでその除幕式のことを見ていたので、「あ、ここだ!」と気づいたときにはすでに通り過ぎていた。残念。

京急川崎の駅舎はそれらしく赤い柱などがあしらわれているが、それほど趣きはない。

参道を川崎大師めざして歩く。

境内に入ると、なぜか猿回しが…。

本堂の前で記念撮影。

パラパラと雨が降り始めた。表示では11度になっているが、体感ではもっと寒い。

川崎大師って、弘法大師を祀っているのね。ということも知らずに訪れるのだから、お目出度いことが知れてしまうな。

境内は殺風景だ。京都や鎌倉の寺院のような凝った作りではない。

100円で線香を買って納める。煙にまみれながら、健康を祈るのだ。

カミさんが名物の久寿餅を土産にしたいというので、雰囲気のある住吉屋総本店で買っているの図。このほかに、駅前の福嶋屋でも買った。

右が福嶋屋、左が住吉屋総本店。
味が微妙に違うのは、発酵の菌の違いなのだろうか?

すでに1時近く、腹が減ったので、川崎に戻ってどこか店に入ろうと言っていたのだが、その前にちょっと食べ物を口に入れたいと、参道で売っていた酒饅頭を買ってカミさんと半分にして食べた。寒かったので、ホカホカの饅頭はことのほか美味しく感じたぞ。

ということで、大師線で川崎に戻り、評判の川崎ギョウザでも食べようと、有名な成喜という中華料理店に行った。ここは路地にある店でわかりづらい場所なのだが、とても混んでいる。幸い、ちょうど行列がきれたところで、すんなり席につくことができた。入店後、すぐにまた行列が…。

最初に到着したのはピータン豆腐。上に見える黒いごちゃっとした物体がピータン。刻んである。かなり熟成が進んで濃厚な味だ。

これが定番の焼き餃子。

川崎餃子の特徴は、この味噌ダレで食するところ。

食べ方がこれ。
味噌が入っている割には、それほどコッテリという感じにはならない。アクセントになって、蒲田ギョウザとの差別化になるのだろう。

メニューのオススメになっていた、モツのピリ辛煮。ハチノスと野菜が旨煮風になっていて、見た目よりもかなり唐辛子が効いて辛い。が、美味い。酒が進むなぁ〜。

周囲のテーブルに必ずあるというほど、ほとんどの人が頼んでいるのがこれ。うん、それだけのことはあるね。これは美味い。クセになる味だ。野菜炒めに太い麺を放り込んで炒めたという感じ。だから、いわゆる焼きそばの醤油でもソースでもないのだが、だからこそ後を引くのかもしれない。

満腹になって、雨が強くなってきた川崎の街を後にして、カミさんが寄りたいと言っていた隣の鶴見にあるパン屋に行った。

目的は名物と言われているコーヒーアンパンだったのだが、それ以外にも美味しそうなパンが並んでいたので、ここで夕食を調達することにした。

帰宅してお茶。

まず、福嶋屋の久寿餅をいただくことにした。こんな容器に1人前が入っている。

黄粉と黒蜜をかけたら出来上がり。

そして夜は、買ってきたパンで夕餉にすることにした。

デザートもエスプランのパン。これが珈琲アンパンだ。

しっかりコーヒーの味がするのに、アンパンであるという不思議さがおもしろい。餡子と生クリームという組み合わせも絶妙だ。

とまあ、ただ食べ歩きに行ったような感じのレポートになっているが、ちゃんとお札はいただいてきたので、報告しておきたい。

お札をいただいたということは、これを納めにいかなければならないということだ。神社仏閣に詣でるというのは、そういう繰り返しをいかに楽しめるかが問われる人間修行なのかもしれないな。なんちゃって。