朝日新聞デジタル:本・音楽・映像…全著作物をID管理 各界26団体構想
国民背番号制がまたまた持ち上がってきている昨今。
こちらもまたさっさとそうすりゃいいのにと思っているのに、なかなかできない著作物の統一管理に関するID管理についてのニュースがありました。
【赤田康和】音楽や映像、書籍など国内で流通する、全てのコンテンツ(作品)に共通のルールで番号(ID)を振って管理しようという構想を、俳優・音楽・出版・放送の各界などの26団体でつくる「デジタル時代の著作権協議会」がまとめた。24日に公表する。
構想は、作品のほか、作品に権利を持つ作家や作曲家、歌手ら著作権者と、作品を楽しむ一般の人にもIDを振る。この共通IDにより、作品を媒介に利用者と権利者とが自動的に関係づけられ、使用料支払いなどの著作権処理が簡素化できる、というもの。
たとえば、一般の人が、インターネット上に流通する音楽や動画を切り張りして作成した映像作品を動画サイトで発表しようとすると、現状では、作曲家らの権利を管理している日本音楽著作権協会(JASRAC)のほか、歌手や俳優の団体などにそれぞれ申請して許可をとる必要がある。
朝日新聞はこのあとにも記事が続いているのですが、残念ながらフリーで読めるのはここまで。
これって、クリッピング・サービスでニュースをチェックしていると、けっこうイラっとするんですよね(~_~;)
見出しだけ読んだ印象では、著作権を管理して欲しい側の手間を省くようなものなのかと思ったのですが、どうやらぜんぜん違うようです。
要するに、利用者側が著作権料を払いやすいように窓口を一本化しようという話らしいんですね。
つまり、知らなかったから払わなかったでは通用しませんよという、規制強化のニュースということになるでしょう。
これだけでは食い足りないので、もうちょっと検索してみると、公正取引委員会のサイトにこんな記事を見つけました。
事業者団体による音楽著作権情報の集約化及び集中処理|公正取引委員会
図表をみると、X機構というのがID管理団体に該当するのではないかと思われます。
公正取引委員会はこれまで会社ごとにコンテンツの著作権管理をそれぞれ行なってきたが、負担が増大しているのでまとめる意見が出ていることを受けて、これが独占禁止法に抵触しないかを検討したということです。
X機構は,主に配信事業者の事業効率化を図ることを目的としてこの事業を実施するものであり,これにより利益を得ようとするものではない。
X機構が行うこの事業を利用するかどうかは,配信事業者及び著作権管理事業者の任意であり,この事業を利用する者は,X機構の会員となって事業実施に要する応分の費用を負担する。
また,X機構は,配信事業者と著作権管理事業者との個別取引の内容には何ら関与しない。また,このX機構の事業は,これに参加することにより,配信事業者及び著作権管理事業者の事業コストが軽減され,新規参入が容易になるなど,音楽配信事業及び音楽著作権管理事業における競争の促進にもつながるものと考えられる。
X機構が実施する事業自体は,直ちに独占禁止法上問題となるものではない。
このように、公正取引委員会は「お墨付き」を与えましたので、X機構すなわちID管理団体は活動を進めて行くことになるでしょう。
すでにネット上ではコンテンツがコピペで繁殖する状態ですが、これをどうやって管理しようというのか。IDを埋め込んで、それを証拠資料にして違反の立件として行こうという流れだとは思いますが、果たして効果はあるのでしょうか。
続報をウォッチしていきたいと思います。