「jazzLife」2013年9月号 執筆後記[自画自賛] #ジャズ #jazz

発売日からだいぶ過ぎてしまったけれど、気力を振り絞って文字にした原稿なのでちゃんと紹介。

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今号で富澤えいちが執筆した記事は…

実力派の実力を余すところなく発揮した3rdアルバム“発売記念”/藤村麻紀&堀秀彰

3rdアルバム『ベスト・ウィッシーズ』をリリースした藤村麻紀のライヴを阿佐ヶ谷のクラヴィーアに観に行った。

駅前のロータリーを見下ろす好立地のライヴハウス。入るとまずバーカウンターと、棚の洋酒瓶に圧倒される。雰囲気のあるいいハコだ。

藤村麻紀はアルバムを聴いても上手さが伝わってきたが、間近でその声を浴びると、、細かいニュアンスまで正確に表現できるすごい才能であることをますます確信できた。サラッと歌ってしまえるので、それがもしかしたらフックにならない、すなわち聴き流されてしまう可能性もあるのだとすれば、残念だ。

ステージングもスムーズで、流石に関西で鍛えられているだけはある(笑)。

禁断のクラシックを蹂躙したチヒロ・ジャズの真骨頂/『モルト・カンタービレ』山中千尋

山中千尋の新作のレビュー。彼女もクラシック色の強い(クラシック志向の強い)ピアニストであることがライヴを観ると感じるのだけれど、それを全面に出したいい企画だった。「らしさ」を考えれば、「ジャズを弾く」のではなく「自分の音を出す」ことに向かっていける。

足りていないはずなのに聞こえ そして、見えてくる世界/『トゥー・ヴォイセズ』高樹レイ&竹内直

声と単音楽器だけという組み合わせは、お互いに負担が大きいのではないかと思う。それゆえに、「なにかいままでに見えなかったものが見える」というおもしろさが演じ手側にあって、そのおもしろがっている様子を聴き手が楽しむという図式も成り立つのがジャズだと思う。それを教えてくれるのが、こういうアルバムなのだ。

『ユー・アー・マイ・ラッキー・スター』ローズマリー・クルーニー

久しぶりにロージーの歌声をジックリ聴いた。いいなぁ。実はこちらのほうが主流なんだけど、ジャズを意識しすぎると、エラ〜サラ〜カーメンだよね〜なんてついつい言いたくなってしまう。しかし、ハリウッド系と呼ばれるスタイルとヴォーカリストたちのテクニックや表現力もすばらしいのだ。

『めくるめく光彩のうつろい』かれいどすけーぷ

CPJの異端児と思われていたかれいどすけーぷも活動10年。サウンドがとても熟成されて、所期の目的であった「聴きやすさ」はほぼ完成しているのではないだろうか。こうなると、この2人をフロントにストリングス・アレンジされたスタンダードなどを聴いてみたくなってしまうのだが。