カイル・イーストウッドが語る『ジャージー・ボーイズ』制作エピソードが本質を突いていておもしろい

 

すでにジャズ・ファンのあいだではベーシストとして知られているのがクリント・イーストウッドの子息であるカイル・イーストウッド。

 

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父の監督33作目となる『ジャージー・ボーイズ』が久々に音楽をテーマにした映画ということで、音楽を担当しているカイルにも注目が集まっているようだ。

 

その彼をインタビューした記事があったのでご紹介。

 

記事へのリンクはこちらから……

 

【インタビュー】クリント・イーストウッドの息子が語る、父と作る“映画音楽” | シネマカフェ cinemacafe.net



 

「楽曲自体はすでに作られていたし、ボブも含めて『ザ・フォー・シーズンズ』の音楽が基盤になっていて僕はそこには関わっていないけれど、映画の最初と最後に出てくる『Oh, What A Night(あのすばらしき夜)』はホーンとストリングスを加えてアレンジしているんだ。映画音楽の仕事は、映画のなかに綴られている感情を音楽で伝えるということではあるけれど、大袈裟なことをしたくないなとも思っている。父は“過度なものは必要ない”という考え方だからね。なおさら音楽で感情を操作してしまうことはしたくないと思った。今回の自分の役割としては、『ザ・フォー・シーズンズ』のすでにある曲からヒントをもらい、それを加味したような曲を入れて繋いでいくことだった」

 

ヒット曲を放ったグループの楽曲を使いながら、それを映像作品として転化させるために、かなり調整能力が必要な仕事だったのではないかと推察する。イーストウッド監督としては、「ほかに頼めない」と、息子が音楽を選んでいてくれたことを感謝しているかもしれない(笑)。

 

「ジャズは何でも好きなことができる自由な音楽で、ライヴではほかのミュージシャンとのインタラクションを楽しみながら毎晩異なる演奏をするという即興の要素もある。瞬間に生まれる音楽を楽しんでいるんだ。対して映画音楽はピアノの前に座ってああでもないこうでもないと作ったものを練りに練って、編集をして、最終的にはきちんとハマるところに持って行く。まったく違う作業ではあるけれど、それぞれにやり甲斐がある。どちらも楽しい」

 

同じ音楽とは言いながら、180度違う作業に戸惑う人もいれば、彼のように興味のツボを刺激されてしまう人もいるのだろう。もっとも、それだけの才能がカイル・イーストウッドにあるから、おもしろがれるのだろうが。