貴重なポスト・フリー・ディケイドを堪能できる秀逸なジャズ・レコード20選をやっていたぞ!

 

フリー・ジャズの嵐が吹き荒れた1960年代。

1970年11月25日をもってその嵐は収まってしまったというのが定説だ。この日は、アルバート・アイラーがイースト・リヴァーで死体となって発見された日。

 

 

 

もちろん、嵐は収まったものの、風が止んだわけではない。社会現象と呼ばせるような不純要素を逆に振り払い、純粋に偶発的あるいは瞬発的な構成要素で構築できる音楽としての発展を試みることができるようになったのが、1970年代以降のポスト・フリー・ジャズと言えるのではないかと思っている。

 

と、そんな感慨にふけっていたら、「「70年代のアンダーグラウンド・ジャズ・レコード 20選」を英FACT Magazineが発表」という記事が目に止まった。

 

これは、イギリスの音楽メディア「FACT Magazine」が特集したもので、amassでも日本語に翻訳しているが、元記事では1ページずつ丁寧に解説をしながらYouTubeで音源を紹介してくれている。

 

聴きながら思うことは、やっぱり60年代の空気感とはまったく違うということ。どちらかといえばフラワー・ムーヴメントの影響をより強く受けているというか、ジャズという制限を取り払えば、キング・クリムゾンやソフト・マシーン、グレイトフル・デッドのヴァリエーションととらえたほうが自然という感じすらするぐらい。

 

ブラック・ムスリムとの関係性を嫌うことからこうした傾向が強くなったのかもしれないが、あるいは単にこの特集の選者の好みが反映されたものなのか定かではないが、一考の余地はあるかもしれない。現にフリーでもアンダーグラウンドでもないとされるマイルス・デイヴィスの70年代のサウンドとの近似性を感じるぐらいなのだから。

 

興味のある人は、それぞれフル・アルバムの音源がアップされているようなので、堪能されたい。