理想の上司はマイルス(でいいのか?)

 

日本でも数えるほどしか存在していない合唱の指揮者への取材でビジネスのリーダーシップ論を探ろうという記事。

そのなかで、合唱の指揮者の理想は「マイルス・デイヴィス」という記述があった。

 

 

三澤氏が理想としている指揮者はマイルス・デイヴィス。彼は指揮者ではなく、正確にはジャズ・トランぺッターであるが、三澤氏いわく、彼は指揮者顔負けの類いまれなリーダーなのだという。「ジャズという音楽は本来は個人プレーの集合体なのですが、マイルスはそこにグループという概念を持ち込んで、インタラクティブなアンサンブルをみごとに形にしたのです。彼は1人ひとりの能力を最大限に引き出し、各人が自分でも信じられないような音を奏でているという魔法のようなことを実現していました。マイルスは一緒にやっていたプレーヤーが彼自身をも超えていくのを明らかに楽しんでいた。究極のリーダーシップです」。

 

三澤洋史さんは、日本のオペラ界の頂点に位置する新国立劇場専属の合唱指揮者を務める人物。

声の個性を見きわめ、平均化ではなく最大化させるところにフォーカスする方法論は、たしかにマイルス・プロジェクトを彷彿とさせるものがあるかもしれない。

 

でも、伝え聞くマイルスの行状は、どちらかと言えば“池井戸潤原作ドラマのヒール役”的なイメージのほうが強いので、少なくとも会社にはいてほしくないような…。

まあ、結果にフォーカスする人はえてして人間関係を犠牲にする傾向はあるのかもしれない。でも、そうなると組織論としてはむずかしいんじゃなかろか。

リーダーシップとマネジメントの両立もまた、むずかしいだろうしね。