富澤えいちの執筆担当記事の紹介です。
音楽のインタヴュー記事というのは、アルバム・リリースかイヴェントの“前”に取材をして発表されるというのが一般的ですね。
音楽ライヴのレポートは、いわゆる“感想文”なので、イヴェントの後。しかし、その際に演奏家を含めた送り手側の所感などが挿入されることは少ないでしょう。あっても、MCでしゃべったことを引用したり、ライヴ直後に楽屋へ出向いて簡単な感想を聞くことができたときぐらい。
なので、送り手側の情報はほとんど織り込まれないというのが、先述の“一般的”である理由となります。
もちろん、ライヴ直後に冷静に振り返りができる人が少ないということも理由のひとつになるでしょうし、“感想文”を書く側にとっても“直後”は考えがまとまっていることがほとんどないので、そこにフォーカスするべきではないと思っています。
そのうえで、かねがねライヴやイヴェントの総括的な記録は残しておいたほうがいいのではないかと思うようになっていて、そういうことはなかなか商業誌や商業サイトでは難しかったりするので、いろいろ工夫する必要があると考えていました。
振り返りが難しいと思っていたのは、ボクがメイン・フィールドにしているジャズでは、演奏者に“ライヴは一期一会”的な意識が強い人が多く、ライヴを終えるとその内容について詳しく語ることが難しい、要するに「もう忘れちゃってなぁ」と言われることが多かったりするのを数多く経験していたから。
今回の 山内雅弘さんの場合、現代音楽の作曲家であり、送り手側ではあるもののフィールドとポジションが異なるので、そうした総括ができるのではないかと期待して、取材を申し込んでみました。
Yahoo!ニュース個人のオーサー枠は、こうした発表の場として活用しやすく、1万字までの字数制限はあるのですが、それぐらいのヴォリュームの記事でチャレンジしてみてもいいかなと思ったわけです。
あわせて、5月ぐらいから始めているラジオ番組風の、取材時の収録音声を編集したものも貼り付けて、メディアミックスしてみました。
こういうことができるのが、新しい媒体の楽しみでもあるので、いろいろとチャレンジしていきたいと思っています。