“娯楽”と“アート”の違いに関する橋口亮輔さんの指摘についてのメモ

 

映画監督の橋口亮輔氏へのロングインタビュー(「熱風」2017年1月号掲載)に興味深い発言があったので、共有したいと思います。

このインタビューで橋口氏は、宮台真司氏が橋口氏の監督作品「恋人たち」を評論したなかで、映画を観て「スカッとしたと感じるのは娯楽、観る前と後で自分が変わったと感じるのはアート」という趣旨の記述をしていることを引き合いに出していました。この指摘がとても興味深いですね。

これは「音楽」と言い換えても当てはまるのではないでしょうか。

また、作家性についてこのように表現しています。

(ヒットを出すと言うことは)儲かるか、儲からないか、カネを生むか、生まないかという判断基準のほうが、作品の質よの話より上になるだろうというのを如実に感じます。

そういうなかで長い間成功されている方は、自分のつくりたいもの、志向するものと、お客さんのニーズとが合っている幸福な作家ですよ。

作家性ばかりがとんがってしまうと、ついてこられないですからね。だからとんがって「俺はすごいことをやっている、描いているんだぞ」といくら言ってみたところで、観客がついてこられなければ、それはただの裸の王様になるわけですから。

やっぱりいつも作家が目指すのは、このとんがっているところというかな、いわゆる作家性と、ミドルグラウンドを観客と一緒に探して自分の作家性を貶めなくてもいける地点なんです。

 

エンタテインメントとアートの問題は、ジャズでも避けて通ることが出来ない問題点です。

この指摘は、ボクがこれまでモヤモヤしていた気持ちを、かなりすっきりさせてくれたものと言えます。

 

意外に密接かもしれない寒ブリとジャズの関係[ジャズキュレーション]

 

ニュース・サイトを眺めていたら、こんなニュースに遭遇。

匿名で今年も 高岡愛育園に「寒ぶりを愛する男より」 (北日本新聞)   Yahoo ニュース

高岡市佐加野の児童養護施設「高岡愛育園」(高橋源吾園長)に8日、男性が名乗らずに寒ブリ2本を届けた。匿名で寒ブリが届くのは昨年12月に続き2回目。夕食で刺し身として振る舞われ、園生37人が旬の味を堪能した。同園によると、同日午後2時半ごろ、30~40代くらいの男性が同園の門の近くに「ひみ寒ぶり」と印字された青い箱を2個置いていった。10キロと8キロのブリが1本ずつ入っていた。中にあった手紙には、昨年と同様に「寒ぶりを愛する男より」と記されていた。魚をさばく代金として1万円入りの封筒もあった。近くの鮮魚店に頼んだところ、お金を受け取らずに調理してもらえた。園生の山崎明弘君(15)は「ことしも届くとは思わなかった。刺し身が大好きなので本当にうれしい」と笑顔で話した。(匿名で今年も 高岡愛育園に「寒ぶりを愛する男より」|北日本新聞<Yahoo!ニュース>より引用)

おぢさんはホロッと来ちゃいましたよ~(笑)

氷見の登録商標の付いたブリだったそうで、市価では3~4万円するというもの。

卸値で買ったとしても、2本で5万円ほどの「高級プレゼント」だと思います。

近所の魚屋さんの対応も粋ですね~。

 

で、ためしに「ブリ ジャズ」というキーワードで検索をかけてみると、

結果が表示される0.01秒くらい先にピンっと閃きました。

「あ、あの検索結果が表示されるんじゃなかろうか……」と。

 

そう、それはブリではなく、ジブリ

 

案の定、ジャズとの相性はブリよりもジブリのほうがウワテでした(笑)。

 

実は、「ジブリ・ジャズ」に関しては、まったくノー・タッチでした。

仕事でも触ったことがなく、聴く機会もありませんでした。

無意識にでも、避けていたのではないかと問われれば、

それも否定できないと思います。

 

ジャズはカヴァー・アートであることを考えれば、なんら問題はなく、

むしろ不勉強を恥じるべきでしょう。はい、恥じます。

ごめん、ジブリ・ジャズ。

 

だって、いいじゃないですかぁ~。

 

と厚顔無恥にもほどがあるほど手のひらを返して、

この話題はブリ返さないことを願って……。

 

ATJがクラブ・テイストなアプローチを代表するものだとしたら、

立石一海トリオは真正面からピアノ・ジャズというアプローチですね。

好みが分かれても不思議ではありませんが、

やっぱり原曲のよさがキモなのかなぁ……。

 

 

 

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