同じ音源でも使うことができるものとできないものがあるという現代の披露宴事情

 

結婚式の披露宴に自分がセレクトしたBGMを持ち込むのは、いつぐらいから流行りだしたのだろうか。

 

 PC&D_THRdmShots.jpg (62) by blogjunkie

 

アナログ・レコードとポータブル・プレイヤーを持ち込めば可能だったかもしれないけど、撤収のことを考えると現実的ではない。

ホテルなどイヴェントも受け入れていた施設なら、カセットテープの持ち込みに対応していたかもしれないけど、音響機器を使うのに別料金がかかったような気がする。

結婚披露宴が式場と呼ばれるスペースを借りて行なわれるようになったのは昭和30年代ぐらいからのことだろうか。そのころはいわゆるパッケージの、2時間でお色直し2回といった定型の披露宴ばかりだったはずだ。お金を積めば別だけどね。

1980年代ぐらいになると、差別化のためにいろいろなオプションが安く提供されるようになって、持ち込みBGMもそのひとつになっていたんだと思う。

ボクが結婚披露宴をしたのは1985年で、すでにCDは発売されるようになっていたけど、まだCDに焼くという道具は普及してなかったから、音源を持ち出すのはカセットテープへのダビングしか選べなかったはず。

ドライブのお供もカセットだったしね。

話はボクの披露宴に戻るけど、その会場では持ち込みBGMを無料で追加してくれるサービスがあった。

せっかくなのでこれを大いに利用させてもらおうと、入場からお色直しを挟んだ3パート分に流し続ける音源をLPからダビングして持ち込むことにした。

ほとんどの人は、「変わった音楽が流れる披露宴だなぁ」と思ったか、それすらも気づかなかったかもしれない。

いまはCDに焼くどころか、携帯電話の持ち込みで事足りるようになっているはずだから、さながらDJ気分で演出できたりするのかもしれないと思っていたら、意外にも状況は前進ではなく、後退してかなり厳しい感じになっているようなのでびっくり。

 

CDはOKなのに「ダウンロード音源」はだめ 結婚披露宴でお目当て

 

この記事でフォーカスされているのは、CDを購入した場合とストリーミング・サービスなどでダウンロードした場合では著作権の扱いが違うということ。

デジタルの書籍を買ったときもとても疑問に思ったのだけど、まず同じ(ように)お金を出して購入している(と思っている)はずなのに、手に入れたものの扱いが違うのはかなり不満だ。その断りはあってしかるべきであり、あるいはそれだけの価格差があるべき。

不備を明確化せずに並べて商売をするというのは、ビジネス以前の問題ではないだろうか。

 

まとめ

いまのところ利用者は、ダウンロード音源の制限について認識したうえで割り切るか、あるいは自己責任で別用途の使用をするしかない。

権利団体と利用範囲の緩和を含めて争う場に立つというのもおもしろいかもしれない。

とはいっても、一生に一度の(たぶん)晴れ舞台に気持ちよくBGMをと思っているのに、係争覚悟でというのもいかがなものか。そうじゃなくてもマリッジブルーなのにね。

御祝いや、ボクとしては葬式のBGMなんかも残しておきたいと思っているから、「クレジットを明記すれば不問に付す」みたいな例外規定があってもいいんじゃないかと思うんですが、どうでしょうね、その筋の方?