川崎燎という存在は不思議だ。
1970年代の前半にニューヨークへ渡った彼の足跡は、エルヴィン・ジョーンズやギル・エヴァンスといったレジェンドとの共演を見るまでもなくジャズの本筋を引き継ぎながら、フュージョン、スムース、クラブといった70年代から90年代にかけての潮流の真っ只中にドップリといながらも、決して主導しようというそぶりを見せず、逆にカウンターに徹するといった“意地”を感じさせるものだったりしたからだ。
ボクが川崎燎に少し近づけたと感じたのは、彼の90年代の活動だった。しかし彼は、その間を詰めることを許すことなく、スルッと北欧エストニアに身を移してしまう。
今回の来日は、5年ぶりの新作『レヴェル8』に合わせたものという。
ジャズの歴史と現場のど真ん中でグルーヴを知りながら、染まることなく自身をグルーヴに変えることができた希有な才能。
その貴重な姿を、目と耳と、脳にとどめておきたい。
RYO KAWASAKI & LEVEL 8
2017. 6.30.fri – 7.2.sun
■6.30.fri
[1st.show] open 5:00pm / start 6:30pm
[2nd.show] open 8:00pm / start 9:00pm■7.1.sat & 7.2.sun
[1st.show] open 4:00pm / start 5:00pm
[2nd.show] open 6:30pm / start 8:00pmMEMBER
Ryo Kawasaki (g)
Raun Juurikas (key)
Kaarel Liiv (b)
Eno Kollom (ds)丸の内コットン・クラブ(http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/access/index.html)