富澤えいちの執筆担当記事の紹介です。
月: 2020年5月
【あまびえジャズ祭参加作品】「Virgo」「You are my everything」by 荒武裕一朗トリオ
曲のデータ
「Virgo」
荒武裕一朗(p)三嶋大輝(b)本田珠也(ds)
2016.5.27 新宿Pit inn
「You are my everything」
荒武裕一朗(p)冨樫マコト(b)今泉総之輔(ds)
2019.11.28 新宿Pit inn
ピアノ・トリオの自由度を試す斟酌無しのアプローチ──「Virgo」「You are my everything」について by 富澤えいち
荒武裕一朗との大きな関わりは、2004年に遡ります。彼のソロ・ピアノ作品『THE LIGHT FLOWS IN』(2005年)のレコーディングを見せてもらい、そのライナーノーツを受け持つことになったのです。
都内某所のスタジオに2日間通って、彼がベーゼンドルファーと格闘する姿や、まったく指向性の違うゲストを迎えてのテイクで違った表現方法を探ろうとするようすを盗み見しながら、その音楽性をボクなりに知ろうとしたことが記憶に残っています。
彼とは、アルバム・デビュー作『I DIG IT!』(2002年)のディスク・レヴューを担当したことで連絡を取り合うようになり、折々に近況を伝えてもらうようになっていました。
そして、2017年の近況報告は「15年ぶりにピアノ・トリオのアルバムを出します」というものだったり、2019年の新年に送られてきたダイレクト・メッセージには「来週、相模湖にある音楽ホールでレコーディングするんですけど……」とあったから、あわててスケジュールを調整して見学させてもらったりもしました。
15年ぶりのピアノ・トリオ作品『TIME FOR A CHANGE』や2019年の『CONSTANT AS THE NORTHERN STAR』という作品に投影されるまでもなく、荒武裕一朗の最近の音楽的な興味はピアノ・トリオにあるといっていいでしょう。
ジャズにとって、ピアノとベースとドラムスによる三重合奏は、永遠の課題ともいうべき難問です。
理屈としては、ジャズ黎明期にピアノの曲芸的な演奏がエンタテインメントとして突出し、次第にコード進行を複雑にして進化させる段階で、ルート(根音)を見失わないようにベースを、ジャズらしいスウィングのリズムを強化するためにドラムスを、それぞれ組み合わせようとしたことから──という想像には至るのですが、それ以上にサウンドのバランスと(ピアニストにとっての)自由度の高さがあったことが、このフォーマットに固執する演奏家の多さに現われているのではないでしょうか。
つまり、荒武裕一朗もそのひとり。
ただ、そうした自由度の高さをリスナーと共有するためには、例えば最初に耳なじみのあるメロディを提示して、それを崩していくというアプローチのほうが“伝わりやすい”というのは確かで、多くの演奏家もそうした方法論を採ることが多いと思います。
しかし、彼はそうしない。
最初から、彼が曲と語り合って出した“結論”を、ほとんど斟酌無しにぶつけてくるのです。
リスナーに聞かせるための音楽ではなく、曲に向き合った結果の音楽──。
そんな“結果”が良いのか悪いのかを、アナタの耳で確かめてみてください。
プロフィール
荒武裕一朗 (piano)
1974年宮崎市生まれ。
ビクター音楽コンクールで優秀賞受賞。
学生時代に本田竹広氏のピアノに心酔し、福村博(tb)氏にジャズ理論を師事。
単身NYで研鑽を積み、菊池雅章氏にレッスンを受ける。
これまでにリーダーアルバム7枚を発表。
2008年唯一の日本人として欧州ツアーメンバーとして単身ヨーロッパへ招聘され、オランダ国内をはじめドイツ・ベルギーでのコンサートで好評を博する。
音楽イベント「Music make us one !! 」主宰。
2012年歌手・米良美一と横須賀芸術劇場大ホールにて共演。
2013年1月東京・新国立劇場で芸術監督D.Bintley「ダイナミック・ダンス」音楽監修・共演。
2017年Trioとして15年ぶりとなる6枚目『Time For A Change』を本田珠也氏をドラムに迎えてピアノトリオを発表。
2019年には前作アンサーアルバム『Constant as the northern star』を発表した。
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動画を観て「いいね!」「おもしろい!」と思ったら、ぜひ演奏者の活動を応援するために寄付を考えてみてください。
以下のサイトで「Virgo」「You are my everything」by 荒武裕一朗トリオへの支援のチケットを購入していただくと、その売り上げから諸経費を引いた金額を演奏者にお渡しします。
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あまびえジャズ祭ってなんだ?
あまびえジャズ祭へようこそ!
このジャズ祭は、新型コロナウイルス感染症対策でSTAY HOMEしているジャズ好きのみなさんのために、演奏者の方々に協力していただいて、好きなときに好きなようにジャズの動画を楽しんでいただこうと思って始めた企画です。
基本は演奏者が自分で選んだ動画を観ていただくというだけの祭です。
そこにほんのちょっと、音楽ライターの私が講釈を加えます。
ならぬ堪忍するが堪忍という現在の状況ですが、堪忍袋の緒を緩めてくれるジャズの楽しみを、この機会に広げていただければ幸いです。
なお、演奏者で賛同いただけましたら、ぜひエントリーください。
説明ページはこのリンク先にあります。➡ 説明ページ
【あまびえジャズ祭参加作品】「Into the silent echoes」by Trussonic – towa kitagawa trio –
曲のデータ
♪Into the silent echoes / 作曲:北川とわ
pf 北川とわ ba 岡田治郎 dr 山内陽一朗
収録アルバム:Trussonic – towa kitagawa trio –
4th album『Echoes Forever』
パーツの有機的な結合というトリオの本領を垣間見せた映像作品──「Into the silent echoes」について by 富澤えいち
2015年に活動をスタートさせたTrussonic(トラスソニック)の、第4弾アルバム『Echoes Forever』に収録されている曲のプロモーション・ヴィデオです。
最初、「テレワークのPVかしら?」と思ったのですが(笑)、レコーディングのときのPV用の収録のようですね。
考えてみれば、レコーディングというのはお互いの音の干渉を防ぐためにパーティションを立てたり別室で録ったりと、ソーシャルディスタンスの環境ありきだったりするわけです。
ということは、コンテンポラリー・ジャズと呼ばれるポスト・フュージョンのサウンドには、コロナ時代を先取りした演奏環境による特徴が織り込まれているということになる。
北川とわが生み出そうとしている、幾何学的とも多層複合的とも(あるいは「Matrix」的とも)いうべき音楽世界にこうした演奏環境は、少なくとも同時発声を優先させるオーケストラやジャズのコンボよりもマッチしていることが、この絵を見ることで気づかされたりしたわけです。
Trussonicに感じていた“クール”というニュアンスは、もしかしたらこうしたヴァーチャルにも援用できる距離感が関係しているのではないか──という想像をたくましくしてくれる“分割画面”なのです。
プロフィール
Trussonic(トラスソニック)-towa kitagawa trio
静と動、難解さとポップさ。複雑な変拍子やポリリズムを駆使しながらも、心に残るメロディー。ドラマチックな唯一無二のサウンドで、プログレッシヴロックファンやジャズファン、ジャンルを超えた音楽ファンからの支持を集めてきたピアニスト北川とわ率いるプログレッシヴジャズピアノトリオ「Trussonic(トラスソニック)-towa kitagawa trio」。
2015年の活動開始以来、全国でのライブ活動を展開。
2016年デビューアルバムを皮切りに、次々と発表したアルバムはいずれも各種チャート1位、Yahoo news、多数の雑誌に取り上げられる。また、2nd album収録曲「Biorhythm」は、国際作曲コンテストにて1万曲以上の中からファイナリストに選ばれる。
2018年以降は3年連続クラウドファンディングによるアルバム制作を成功させ、開始僅か1日で100%(100万円)達成など、このジャンルとしては記録的な結果も打ち出した。
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【あまびえジャズ祭参加作品】「Flute Chanting」by 竹内直
本人による解説
素晴らしいプレイヤーたちとのライブ演奏は本当に素晴らしい経験です。
そのいっぽうで、自分ひとりで自分の音をどこまでも探求してみたい、という思いもずっと持ちつづけてきました。
自分の中から湧き上がる様々な音を表現していきたいと思っています。
原始的な反復のなかから生み出される本能的な情動の“祈り”──「Flute Chanting」について by 富澤えいち
フルートでチャントした、と題された動画作品。
チャントというワードが目に入り、すぐに思い出したのは、グレゴリアン・チャントでした。
グレゴリオ聖歌と訳されるその宗教音楽は、ローマ・カトリック教会の基軸をなす聖歌で、無伴奏かつ単旋律という特徴をもっています。
グレゴリオ聖歌といえば、ヤン・ガルバレクとヒリヤード・アンサンブルがコラボレーションした作品(『オフィチウム』1994年、『ムネモシュネ』1999年、『オフィチウム・ノヴム』2010年)が印象に強く残っています。
が、ここではキース・ジャレットのヨーロピアン・クァルテットの一員でもあったヤン・ガルバレクと竹内直の共通性や、グレゴリオ聖歌とこの「Flute Chanting」については言及しません(したいけど)。
ただ、チャントにはグレゴリオ聖歌のような複雑なものだけでなく、もっとプリミティヴ(原始的)なものがあり、それが世界中で見られる音楽的な現象でもあり、どちらかといえばこっちのほうが一般的だということ。
竹内直に関係づけるとすればこのほうが重要で、南北のアメリカ大陸からアフリカ大陸にまで足を伸ばして活動/吸収してきた竹内直の音楽性との関係性は“深い”と指摘するべきでしょう。
チャントは世界各地で自然発生的に存在する“節”と同意であるとも言われます。
宴席で手拍子とともに歌われる祝い歌のように、2つか3つの音程を使った単純なリフを繰り返す“節”は、日本でも各地に残っています。
そして、この動画を語る際に重要なキーワードがもうひとつ。
ループマシン(ループ・システム、ルーパー)とは、音を加工するエフェクター(音響効果を与えるための機器)のひとつで、入力された一定時間の音を半永久的に繰り返して再生することができます。いくつかのフレーズを記憶させて、それを重ねることは“サウンド・オン・サウンド”と呼ばれています。
竹内直の試みは、このループマシンを使って、チャントのスタイルで、どんな音楽が生まれるか──という“音楽家らしい興味の発露”と言えるでしょう。
ループマシンを使った楽曲はすでに多くの演奏者によって発表されています。それを大別すると、すでにその演奏者(作曲者と言い換えてもいいでしょう)の頭のなかで完成している楽曲を再現するためにループマシンの機能を使うものと、ループマシンを重ねることによって生まれる偶発的な“なにか”を起点にして楽曲を展開していこうというものがあると考えています。
竹内直の場合は後者。それはまた、彼がインプロヴァイザーであるからこそ、その本能が求めた方法論といえるかもしれません。
そう感じさせるのがエンディングの一コマです。踊ると決めていたから踊るのではなく、踊らざるをえなくなっている……。
上半身のワンカメラだけの映像ですが、それだけに“考えている瞬間”と“感じて反応している瞬間”が“見えてくる映像”でもあると言るでしょう。そのあたりも楽しんでいただきたいと思います。
プロフィール
竹内直(ts, fl, bcl)
1977、1986年にニューヨークに滞在。Jazz Center of NewYorkに自己のバンドで出演。
帰国後、エルビン・ジョーンズ(ds)・ジャパニーズ・ジャズマシーンに参加。フレディ・ハバード(tp)と共演。
1991年、ブラジルに渡りリオデジャネイロでサンバやボサノバを吸収する。
2002年には山下洋輔ユニットの一員としてヨーロッパ・ツアーを敢行。
2002年、来日したビル・クリントン前米国大統領の歓迎晩餐会でサキソフォビアのメンバーとして、メイン・ステー ジを務め、 クリントン氏から賞賛される。
2008年、セネガルに滞在し、世界的打楽器オーケストラのドゥ・ドゥ・ンジャイ・ファミリーと親交を深める。
2008年、天河神社にて奉納演奏。
2019年、ドキュメンタリーMVが「International peace & Film Festival 2020」のオフィシャルセレクションに選ばれる。
リーダーアルバムとして最新作「バラード」を含む11枚をリリース。現在、ジャズフェスティバル、野外コンサート、全国のライブハウスなどで演奏。NHKセッションなどのFM番組にも、出演多数。
竹内直WEBサイト http://takeuchinao.com/
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【あまびえジャズ祭参加作品】「希望/Never give up hope(明けない夜はない)」by SORA PROJECT
本人による解説
末期がんのベーシスト、そらです。
GISTという希少がんの再発、転移をきっかけに音楽活動を始めました。
活動の目的は生きる希望を伝え、諦めない姿を残すこと。
“そら”と名乗るのには理由があります。
この名前は今は亡き私を生かしてくれた存在の名前なのです。
そして、そらとして生きる私の一つの願いがあります。
“世の中を変えたい”
勿論私にはそんな力はありません。
世の中がすぐに変わることもありません。
それでも、人は変わることが出来ます。
かつての私自身がそうだったからです。
今も何処かで立ち止まっている誰かの踏み出すきっかけになりたい、そんな願いを込めて日々活動しています。
今の自分に出来ること、それが音楽でした。
生きる”希望”を音楽に乗せて届けたい。
夢や希望。愛と平和。様々な幸せの形。
これからも音楽で届けていきます。
どうか貴方のもとへと届きますように。
星は暗闇がなければ輝かないことを教えてくれる応援歌──「希望/Never give up hope(明けない夜はない)」について by 富澤えいち
ベーシストの“そら”の呼びかけで実現した、和楽器をブレンドしたアンサンブル・プロジェクトによるリモート合奏の作品です。
楽曲の構成はシンプルで、それがメロディの叙情性を高める効果を生んでいます。
箏や二胡、チェロと三味線のユニゾンといった、このプロジェクトならではのサウンドは、メロディラインを強めるだけでなく、西洋楽器だけでは表現できない独特の“匂い”をもたらしてくれます。
撥弦楽器の箏とPixiechord(演奏者のSami Eluによる創作打弦楽器)を聴き比べることができる演奏順など、リモートならではの連携の難しさを補ってあまりある、インスト好きには萌えるポイントが随所に仕込まれている動画になっているので、「良いメロディだな~」と1回目を観終えたら、それぞれの楽器の演奏者が普段はあまり共演しない(と思われる)楽器と自分の音の“反りを合わせる”ための工夫を探ってみることをオススメしたい。
もしかしたら、演奏者にとって不自由で慣れないリモートという環境での動画収録であったからこそ表出した部分であり、それはもちろん音楽的な未熟や失敗などではもちろんなく、偶然がもたらしてくれた「音楽を別の角度からも楽しめる」ことを教えてくれる“ギフト”なんじゃないかな、と思うのです。
SORA PROJECT プロフィール
そら (ベース)
千葉県出身。S59/2/29(36)うるう年生まれ。GLAYに憧れベースを始める。
歴は約20年(途中10年程のブランクあり)趣味はベースの他、車/コーヒー/料理/釣りなど。飲食と音楽を組み合わせていくことが夢。
TwitterやYouTubeで活動中。17 Live認証ライバー/公式配信者。
Jacob Koller (piano)
米国アリゾナ州・フェニックス生まれ。
高校に入学するまでにアリゾナ・ヤマハ・ピアノ・コンクールを含む 10 以上のクラシック・ピアノ・コン クールで優勝する。
高校ではジャズクラブでバンド活動を始め、ジャズの才能を開花させる。
アリゾナ州立大学へ入学後ジャズ作曲コンクールなどで絶賛され、全米から5人のみ選ばれる「COLE PORTER JAZZ PIANO FELLOWSHIP」のファイナリストに選ばれる。
来日後、TOKU のバックなどジャズ・ピアニストとして活躍。テレビ朝日「関ジャニの仕分け」内「ピアノ王決定戦」で優勝する。
その後いくつものオファーを断り、より自由に自身が求める演奏の世界を具現化したCDを敢えて自主制作でリリース。YAMAHAのオフィシャルピアノアーティストとしてYAMAHA会場で月に数回演奏をしながら、自身の音楽スタジオも営み、全国各地で演奏活動をしている。
YouTube総再生数は3000万回を超え、登録者数は25万人近くを有する。現在、最も注目される若手実力派ジャズピアニストの一人である。
Sami Elu (Pixiechord)
アメリカ・ボストン出身。バークリー音楽大学でジャズと作曲を学び、世界で活躍する孤高の音楽家。
ピアノ・アコーディオン・ドラム・トロンボーン・フルート・チューバ等、複数の楽器に精通する。
廃材とピアノ線を使って、世界に一つだけの木製弦楽器「Pixiechord」を自ら製作、演奏を開始。
「和」の心を持ち合わせた流浪の音職人が、自然と調和した唯一無二のサウンドを即興演奏で奏でる。
吉田鋼太郎プロデュース・阿部寛主演の舞台「ヘンリー八世」にて音楽担当。
公開された演奏動画のYouTubeは900万再生を突破した。
http://samielu.com/
原田サトシ (二胡)
北海道生まれ、福岡県育ち。現在、神奈川県在住。中国関連職に従事しつつ、関東を中心に二胡演奏活動を行い、神奈川県海老名市で二胡教室を開講している。
20代の半分以上を中国で過ごし、滞在1年目のころ二胡との運命的な出会いを果たす。帰国までの間、元中国歌劇舞劇院ソリスト・霍暁君氏(元「女子十二楽坊」二胡奏者)の専門的な指導に恵まれ、中国音楽学院に留学。学院では柴帥、李尚楠両氏に師事。作編曲およびDTMを学び、オリジナルやアレンジ作品をインターネット各メディアで発信。また、二胡のほか中国語を専門とし、漢詩と二胡の融合など新しい文化の形を模索中。
https://25-ni.com/
金子展寛 (箏)
9歳より生田流箏曲をを始め、NHK邦楽オーデション合格。
第21回全国高校生邦楽コンクール県知事賞(第1位)受賞。利根英法記念第1,2回邦楽コンクールにおいて奨励賞受賞。日独交流コンサート(ドイツ)において数カ所演奏。第22回賢順記念くるめ全国箏曲祭全国箏曲コンクールにおいて銀賞受賞。
市川市文化振興財団主催第29回新人演奏家コンクール邦楽器部門において最優秀賞受賞。
国際交流基金アジアセンター主催事業「NOTES: composing resonance」に参加。インドネシアの音楽家とともに新たな形のコラボレーションを実現。
故野坂操壽氏、滝田美智子氏に師事。
生田流箏曲松の実會会員。 (公社)日本三曲協会会員。生田流協会会員。桐の響会員。「むつのを」メンバー。
箏を通じて、ソロでの活動や、邦楽器との共演はもちろん、洋楽器やアジアの音楽との共演、舞台やCDのレコーディング、アレンジなど隔たりない幅広いフィールドで活動を展開し、多くの方に箏の魅力を知ってもらえるよう活動をしている。自宅にてお箏教室を開催。
https://nobuhiro-1325koto.jimdo.com
しゃみお (三味線)
12歳より三味線を始め、その圧倒的な技術で数多くの伝統的な舞台にて演奏してきた。
そのメインフィールドゆえ、「しゃみお」としてはその正体・経歴を明かすことができないため、狐の面をつけて演奏する。
現在、三味線奏者の中ではYouTube登録者数世界一を誇っている。
パリで開催された「JAPAN EXPO 2018」でも演奏。
錚々たる面々と日々共演してきたが、さらなる音楽に対する遊びと自由な演奏を求めて3×4×Sを結成した。
3×4×Sでは演奏、編曲、動画編集などを担当する。
ヌビア (チェロ)
6歳よりチェロを始め、オランダのユトレヒト音楽大学、英国トリニティ音楽院にて学ぶ。
横浜国際音楽コンクール高校生の部第2位、長江杯国際音楽コンクール第3位、冲永荘一学術文化賞奨励賞など多数受賞。
現在は舞台をクラシックからポップスに移し、アニメやゲームのレコーディングにソリストとして数多く参加している他、エレキチェロを用いた公演も行う。
また、作編曲家・作詞家としても活動。
商業舞台音楽、ゲーム音楽、アニメ音楽、海外向けの製作などを多数こなし、ジャンルはEDM・メタル・エピック・オーケストラなど多岐にわたる。
3×4×Sの楽曲製作、MIX・MASTERING、運営、プロモーション、プロデュースなどを行っている。
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■新型コロナウイルス感染症:拡大防止活動基金
https://readyfor.jp/projects/covid19-relief-fund
「力を合わせてこの危機を乗り越えていきましょう。
皆で助け合い、そして明るい未来へ向かっていきましょう。
ご協力のほど宜しくお願い致します。」(そら)
あまびえジャズ祭ってなんだ?
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【あまびえジャズ祭参加作品】「18.LD008.Asteroid Belt」by 松井秋彦
本人による解説
35拍子を、16分の5、16分の7、7分11(7連符が11つずつ進む)の周期のフレーズで各楽器が泳ぐAセクションに、5連符の中抜きで成り立つ20ビートと、7連符の中抜きで成り立つ28ビートの繰り返しになっているBセクションでできているこの曲は、ハーモニー的にも様々な変わった調性の中を泳いでいて、松井秋彦の提唱するCPJ(Contemproary Progressive Jazz)のコンセプトを比較的完結に描いた曲です!それを、四刀流ジャズマン(マルチパフォーマー)ならではの全パート本人の演奏による動画のサイト(JOKER of all trades Flunker of none)のチャンネルにアップしたものです。
アナタのJAZZ観を揺るがす“常識からの解放”という愉悦──「18.LD008.Asteroid Belt」について by 富澤えいち
CPJというのは、マルチ・インストゥルメンタル・プレイヤー&作曲家として活動する松井秋彦が提唱した音楽演奏スタイルです。
なんの略かといえば、コンテンポラリー・プログレッシヴ・ジャズの頭文字。
コンテンポラリーというのは“現代”という意味ですが、実は芸術的には、“モダン”を“現代的なもの”と定義付けていました。
それは主に19世紀末建築分野でのこと、産業革命による近代工業化を反映した機能主義や合理主義の、それまでの様式美的な装飾を用いた建築を否定する傾向が強まった作風を指していたのですが、“それまでの様式を否定する”という部分が援用されて、ほかの芸術分野でもモダニズムが波及することになりました。
ジャズでも20世紀半ばの、スウィングから派生したビバップ由来のジャズをモダンと括っていますが(というか、ビバップから装飾を廃したクール・ジャズを狭義のモダン・ジャズとするほうがモダンの定義に合っているといえるでしょう)、ほかのアート・シーンと同じようにそれを否定する方法論を採ることが“モダンのモダン”となり、呼び方をコンテンポラリーとしたわけです。
1970年代以降に顕著となったコンテンポラリー・ジャズでは、その原動力となった電気楽器によるサウント・イメージの形成をはじめとして、パフォーマンス・アートの影響や、モダン・ミュージックの一派である印象派をさらに民俗音楽的流行音楽に取り込んだアプローチなどなど、さまざまに派生していきます。
そうしたなかで、松井秋彦が“否定した”のは、ジャズらしさと言われてきたリズムとハーモニーだったといえるでしょう。
この「18.LD008.Asteroid Belt」という演奏が、ただ単に1人の演奏者ですべてをまかなうという奇異さだけでなく、そう聞こえるはずがないのになぜ“合奏”という概念を拭い去ることができないのか、という部分で、それが“コンテンポラリー”であることに気がつかなければなりません。
つまり、松井秋彦が否定しているのは既成のジャズであると同時に、ジャズをジャズだと思っているアナタの感性だということ。
それに気づいたときに、ニヤリとできるのが、彼が教えてくれる“ジャズの楽しみ方”ではないかと思っているのです。
プロフィール
松井秋彦 Composer / Multi-Performer(key,g,b,ds)
バークリー音大を奨学生として卒業して以来、CPJ(Contemporary Progressive Jazz)を旗印に、ハーモニー、リズムが同時に進化した先駆的ジャズの活動を続ける無類のマルチパフォーマー(ピアノ、ギター、ベース、ドラム)で作編曲家。
ライブは全国そして、海外はドイツ、マレーシア、タイなどにてツアーしながら、CPJのCDのレコーディングは枚挙に暇がない。
CPJのベスト50曲の驚愕の難曲譜面集『mujik CPJ』と、その中からのbest 10曲のマルチパフォーマンスのCD『album CPJ』その攻略本とも言われるコンテンポラリージャズまでを含む理論書「book CPJ」なども上梓し、近年はCPJのベスト50を含むbest 100曲として、「fjord CPJ(フィヨルドCPJ)」としてそれらの難曲をライブなどにて演奏し続けている。
2020年に入り、You Tubeに本人のマルチパフォーマンスの多重動画のチャンネル「JOKER of all trades Flunker of none」も開設。
1.松井秋彦の本宅~CPJ Mujik Official site http://www.graphic-art.com/cpj/
2.松井秋彦の四刀流『album CPJ』のSound Cloud上のサンプル音源 https://soundcloud.com/mujik-cpj
3.JOKER of all trades Flunker of none Channel~松井の四刀流マルチ画面動画 https://www.youtube.com/channel/UCVlkmHXJFcC681hheQg2u6Q
4.fjord CPJ (フィヨルドCPJ)You Tube Channel CPJのあらゆるライブ動画 https://www.youtube.com/user/CPJMUJIK
5.off CPJ~EPSなどのYou Tube Channel 抽象的な世界へ向かう動画 https://www.youtube.com/channel/UCsp6lvkqtDmyYhAw7sh5JjQ
6.Kaleidoscape You Tube Channel ~かれいどすけーぷでの松井のスタンダードのアレンジ動画 https://www.youtube.com/user/telekaleidoscope
7.キッキューさん(キックの一休さん)という左足カウベルを用いたあらゆる実験動画 https://www.youtube.com/user/HIBIKOREKICQUE
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https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01ppqk10ysb3e.html
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説明ページはこのリンク先にあります。➡説明ページ
「〈小曽根真スペシャル・コンサート〉ホールの記念日を自らのスタートと重ね合わせたピアニスティックな夜」という記事が「ピアノの本」(270/2020年5-6月)に掲載されています
富澤えいちの執筆担当記事の紹介です。
ピアノの販売店に置かれているフリー・マガジン「ピアノの本」で、2月26日に銀座・ヤマハホールで開催された「小曽根真ソロピアノ・コンサート」のReportが掲載されています。
この日は新型コロナウイルス感染症の影響で開催が危ぶまれていましたが、なんとか実現。
いまとなっては緊急事態宣言発出以前のほとんど最後のライヴ取材となってしまいました。
別の意味で緊張感の漂う会場だったのですが、小曽根さんのステージングが上手なので、あっという間に引き込まれてしまいましたね。
コロナ禍のなかで、ライヴ配信が注目されていますが、ピアノの違いとか、ホールの音響というニュアンスは5Gでも伝えるのは難しいのではないでしょうか。
そうなると、ポスト・コロナのライヴ活動では、2.5D的なパフォーマンスか、音質を重視したプレミアムな配信環境が必要になるのかもしれません。
あるいは、個室ビデオ喫茶のような、仕切りのある衛生的な配慮の行き届いたホールやライヴ会場へとインフラを大転換させなければならない世界が訪れるのかもしれません。
簡易的には、VRセットとすっぽり被るタイプの(イメージ的には虚無僧の深編笠みたいな)防護カプセルを装着して鑑賞するようになるのでは、というのが現実味を帯びてきたような気がします。
「連載11[ジャズ事始め]美貌の奇術師率いる天勝一座が運んできたジャズの香りとフィリピン・ルート」という記事がヤマハWEB音遊人にアップされています!
富澤えいちの執筆担当記事の紹介です。
横浜でジャズのことを調べていると、よく耳にするのが松旭斎天勝という名前です。
天勝の名声は世界に轟いていたとか。
プリンセス天功は孫弟子にあたるんだそうです。ボクは朝風マリ時代からファンだったんですけどね(笑)。