【我田引水】「jazzLife」2018年6月号 執筆後記

 

富澤えいちの執筆担当記事の紹介です。

 

 


 

斉藤ノヴ/NOBU CAINE『今ここにあるべき百戦錬磨〜7人〜』interview

斉藤ノヴさんにお話をうかがうのは12年ぶり。

それも18年ぶりに復活アルバムをリリースするというタイミングだったので、いろいろと興味深いお話を聞くことができました。

NOBU CAINEはスティーリー・ダンにイメージを重ねるところも(当時は)多かったので、なかなかジャズというアプローチでは取材しづらかった記憶があります。

今回、リユニオンというニュアンスではなく再起動したことによって、往時を再現するのではなく、またまた“時代を刺激する音”を発してくれることが期待できるわけです。

 

こちらはディスク・レヴュー。

 

 

 

ディスク・レヴュー

岡部磨知『プリズミラクル』

 

 

 

キラキラ『ブライト・フォース』

 

 

 


 

 

微熱でうたた寝をしていた枕元のiPad miniから流れていた桑原あいとエスビョルン・スヴェンソンとマウリツィオ・ポリーニ

 

寒暖差が激しいので体調管理にはくれぐれもご注意を、とテレビの天気予報などで注意されていたにもかかわらず、しっかりと体調不良になりました(~_~;)

 

土曜の午後は仕事を取りやめて、寝床で安静にしていることに。

隣で新築工事の最終段階が進められているようで、土曜日というのに朝から発電機みたいな低周波が鳴り響いて、体調不良には堪えます。

そこで、iPad miniを枕元に置いて、音楽をかけながらうつらうつらする作戦に。

 

まず再生したのが、これ。

 

 

 

桑原あいさんに関係する原稿を書こうと思って資料を探していたときに見つけた音源。

枕元で音量を絞って流していると、ウィル・リーさんのベースの心地よいったらなかったですね〜。

ピアノもぜんぜん表情が違うし、意外な面を発見できたかも。

 

 

次に流したのがエスビョルン・スヴェンソン・トリオのこれ。

Amazonミュージックでチェックしたまま聴かなかったので、この機会に聴いてみようと再生。

前半は期待通りのアンビエントな感じながら、最後はけっこう暴れていたので、微熱の頭にはちょっとキツかったです。でも、やっぱりe.s.t.は好きだなぁ。

 

 

1枚ごとに選ぶのがしんどくなったので、長尺のものをと選んだのがこれ。

ポリーニのシューマンが聴きたくてチェックしていたのですが、なかなか長いと聴くタイミングが見つけられなかったのです。こんなときにちょうどいいとは皮肉なものですが。

協奏曲だとオケが気障りだったりするのが、これはポリーニのピアノだけに集中できていいですね。

まさに夢心地。

おかげでだいぶ回復しました(たぶん)。

 

音楽業界はライヴチケットを含めた物販に収益の軸を移行しているという話とluteについて

 

CDが売れたの売れないの、アナログLPが復活してきてるかもだの、ダウンロードって伸びてるのなどなど、音楽業界で話題となるのはそのメディアと売上の関係だったはず。

ところがこの関係が最近崩れてきて、売上の軸がメディアではなくツアー興行とブランディングされた商品による収益だという話題の記事。

音楽業界はポスト・デジタルの時代 —— アーティストのブランド化支援する日本の動画メディアluteって?|BUSINESS INSIDER JAPAN

音源がオワコンという話題は新しいものではないけれど、ここで取り上げられているのがlute。

lute株式会社は、Media(メディア)、Ad Agency(アド・エージェンシー)、Artist BizDev(アーティスト・ビズデブ)の3つの部門を擁する「アーティストビジネス・カンパニー」です。

ミレニアル世代のユーザーと国内外のアーティストをつなぎ新たなビジネスモデルを構築することをミッションに掲げています。

luteホームページよりhttps://lutemedia.com

これだけだとかなり抽象的でわかりづらいので、補足すると、まずluteというのはウェブサイトをもたないメディアで、カルチャー系分散型動画メディアを標榜。

ウェブサイトをもたない代わりに、YouTubeを利用して、次世代を担うアーティストの映像作品を発表しているということです。

luteのコンセプションについては、社長の五十嵐弘彦さんのインタビュー記事があるので、そちらを参照してください。

 

 

これを読むと、ディストリビュータという意味合いが強かった従来のレーベルに対して、YouTubeというチャネルを利用することで、新たな“ダウンロード世代”にコミットできたことがうかがえます。

また、映像(つまりPV)がアプローチしやすいメディアとしてInstagramストーリーに注目していることも興味深いですね。

Instagramをチェックしてみましたが、おもしろいプラットフォームになりそうです。

 

アーカイブを目的とするのではなく、消えるコンテンツとして注目を集めるというアイデアは、ライヴのもっている希少性と並列できる、既成のメディアにはなかった付加価値でしょう。

これは、ライヴ映像のYouTubeアップを考え直すきっかけにもなるはず。

 

 

富澤えいちのFootprints(2018年4月)

 

■4月のアップ記事へのリンクです。

 

LINEのグループ機能は女子高生も「使えないかな〜」と感じていた話 http://dlvr.it/QN7vNZ

音声入力にGboardと言う選択肢がありました http://dlvr.it/QN81pJ

桜は散ってからが花飲みの本番なのです、と諸星へ吸い込まれていった話 http://dlvr.it/QNbVDg

MacBook Airの音声入力用にマイクを導入しました http://dlvr.it/QNcqG3

音楽セラピーだけでなく演奏や聴き方のヒントも AI が示してくれているかもしれない話 http://dlvr.it/QNd5dZ

あのライザップが病にもコミットしてくれるそうです http://dlvr.it/QNfVYG

「生活人新書131 ジャズを読む事典」 を 900 で@amazonから出品しました(絶版になった第一作のデッドストックです) https://goo.gl/PFy4eU

映画「はじめてのおもてなし」が“対岸の火事”ではなかったと気付いたこと http://dlvr.it/QP1kKL

認知行動療法に基づく RPG ゲーム“SPARX”を始めてみました https://ift.tt/2qlGEIH

中野信子『サイコパス』|脳科学者が“アブナい人”を炙り出すアブナい書 http://dlvr.it/QP904s

映画鑑賞後に市民酒場で粋に一杯 http://dlvr.it/QPbqs1

【我田引水】ジャズとデュオの新たな関係性を考えるVOL.12がヤマハWEB音遊人「音楽ライターの眼」にアップされてますよ〜! http://dlvr.it/QPpWM4

【我田引水】「jazzLife」2018年5月号 執筆後記 http://dlvr.it/QPtgR7

映画「きみへの距離、1万キロ」はグリムとディズニーとジブリとタチコマへのオマージュが詰まっていた #キミキョリ http://dlvr.it/QQGGwy

日本では54%の人が自宅で最期を迎えたいと望んでいるそうです https://ift.tt/2vFo4kG

南清貴『行ってはいけない外食』は「自分で作るより安い」という外食の魅力を打ち砕く“悪魔の書”かもしれない http://dlvr.it/QQNcvB

仕事帰りに新子安で途中下車して諸星で豆腐をつつきながら日本酒に舌鼓を打つのです http://dlvr.it/QQVMM5

バインミーに導かれて渋谷の穴場立ち飲みスペースを発見(笑) http://dlvr.it/QQqcLY

メンタルヘルス休暇は取り方によって薬にも毒にもなるので注意が必要です https://ift.tt/2HUrSUf

お墓でも所有か賃貸かで迷う時代になったようです https://ift.tt/2r3cJFI

うつ病に対する家族の視点について考えさせられました(NHK障害福祉賞2017| うつ病の親を持つ子どもより) https://ift.tt/2HB0Bac

金沢八景の潮風に吹かれながらフライング・フィッシュでアジフライをかぶり http://dlvr.it/QR8kjD

みなとみらいで買い物をしたあと野毛・びおシティの風来坊で中華立ち飲み http://dlvr.it/QR8r7l

IT化でより新鮮なキャベツが食べられるようになるのは大歓迎ですね http://dlvr.it/QR8x6C

 

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【我田引水】ジャズとデュオの新たな関係性を考えるVOL.13がヤマハWEB音遊人「音楽ライターの眼」にアップされてますよ〜!

 

ジャズ←デュオのシリーズ、いよいよ13回目を迎えました。

今回取り上げているデュオの近作は上原ひろみ×エドマール・カスタネーダの『ライヴ・イン・モントリオール』。

 

 

ハープとピアノのデュオ、演奏者はどんな“音”に反応しているのかということを想像してみました。

ハープという楽器は、ソロでオーケストラとも共演するなど、いわば花形楽器。また、その音色は独特で、ピアノの硬質な音とは正反対とも言えるのではないでしょうか。

だからこそ、その2つが交わったときの相乗効果は計り知れない……。

という印象を受けたので、取り上げた次第。

 

 

 

カタルーニャから届いた幅広い表現力をもつ歌声|シルビア・ペレス・クルス

 

シルビア・ペレス・クルスの

インフォメーションをもらったままだったので、

改めてチェックしてみた。

 

「夜を纏う – Vestida De Nit」が

とてもいいので紹介したい。

 

 

このほかに「ハレルヤ」や「行かないで(Ne me quitte pas)」

というような、最近の日本のジャズ・ヴォーカリストが

取り上げているようなナンバーも歌っているのを、

YouTubeでチェックできるのだけれど、

ボクのオススメは断然「夜を纏う」だ。

 

シルビア・ペレス・クルスとは?

1983年にスペイン・カタルーニャで生まれた彼女。

音楽的な家庭環境で育ち、すでに20歳を迎えるころには

バルセロナで注目されていたという。

 

日本で正式に紹介されるのは今年が初めて。

4月25日にリリースされた 『ジョイア(Joia)』は

2011年から2017年にかけてリリースされた

5枚のアルバムからセレクトされたコンピレーションに

2曲のボーナス・トラックを加えた全30曲の2枚組。

日本オリジナルのアルバムだ。

 

 

スペイン語、カタルーニャ語、ポルトガル語、英語など

複数の言語を使い分けている彼女。

 

楽器編成もプロジェクトごとに多種多様で、

女優さながらのカメレオン性を発揮している。

 

それもそのはず、彼女はスペインでは著名な

女優としても活動しているのだ。

 

5月に初来日を予定しているシルビア・ペレス・クルス。

 

ビート主導ではない、すなわちアメリカン・ポップスとは

距離を置いたムーヴメントが起きそうな予感がする。