音楽のストリーミング・サービスは功罪を問われる暇もなく産業の一画を成すようです

 

田中宗一郎さんへのインタビュー(黒船Spotifyが日本の音楽文化を救う? 田中宗一郎インタビュー|FUZE)が目に止まっていたので、Spotifyについての記事を書きたいと思っていたのですが、なかなか手つかずのまま半年以上が経ってしまいました。

そのあいだに、Spotifyは2兆円規模の業績へと成長し、2030年までには4兆5千億円という収益をたたき出す産業になるという予測が出たりしていました(ストリーミングの成長により音楽産業は2030年までに約4兆5000億円の収益に復活と予想。去年は1兆7000億円|rockin’on.com)。

2016年にはアメリカ市場でも2桁成長したことで、ゴールドマンサックス証券でも音楽産業の回復を示唆(ただし4兆円規模の半分ぐらいの予想のようですが)、その軸としてストリーミング・サービスの存在が外せないものとなっているのは、すでに確定のようです。

田中宗一郎氏は日本への波及に関して、フィジカルCDへのニーズが強いことが障壁となっていて、そのほかにも日本特有の実態の無いものへの不信感をぬぐい切れていない状況を指摘。

このガラパゴス化が日本の音楽産業の首を絞める心配をしています。

 

もう世界中で下手したら日本だけだからさ、こんな便利なものを誰も使わない国って。それに、ケンドリック・ラマーを日本に呼ぶためにこれから彼のCDを5万枚売ることより、Spotifyで20万人が彼の音楽を聴いて、10万人が彼のファンになることのほうが現実的だし、手っ取り早いという音楽評論家的な視点もあるにはある。でも、それ以上にとにかく楽しいんですよ、Spotifyで音楽を聴くのが。とにかくエキサイティングなの。

 

実は、音楽ライターとしての立ち位置も関係するので、この問題はあまりC調に語れない、語るべきではないと思っていたのですが、音楽が好きだという立場に立って言えば、ボクもやっぱり「Spotifyで音楽を聴くのが楽しくてエキサイティング」という意見に同意なんですね。

すでにライターという職業についても意識を改革しなければならないと思っていたこともあって、それはアウトプットをどうするかという問題なわけですが、音楽業界の在り方の変化はインプットの問題となって、要するにイン&アウトの両面で自分の在り方を考え直さなければならない時期に来ているというわけです。

ということで、打開策を考えて、実行に移す年としましょうか、今年は。

 

あ、打開策というのは音楽産業に対してのものではなく、あくまでもライターとしての些末な範囲でのことなので、あしからず。