日本のライヴハウスの経営スタイルを告発する記事を読んで考え込んでしまう

こんな記事が目に止まった。

ノルマ制ライブハウスについて書いた記事を読んで|音楽家イイダケンイチのブログ

これは…

別の記事でライヴハウスのノルマ制を公開していたことに対して、いろいろと意見を述べたものだった。

その別の記事はこちら。

ライブハウスはミュージシャンを育てない。なぜなら!:うがやの「毒にも薬にもなる話」:So-netブログ

前売りチケットのノルマやチャージバックの話はボクも耳にしたことがあるし、同情すべき点と指弾すべき点があるとは思っていた。

ただし、多くは「店と出演者」という閉ざされた関係性のなかでの問題であったので、俎上に載せずらい話題だった。

こうして出演者側からの問題提起がなされたことは意義深いだろう。

確かに、50人以上の集客力がある、いやそれだけの集客を達成させる努力をした出演者であれば、集客力がない出演者と同じレベルで扱われることは心外だろう。

ライヴハウスの経営面のみならず、音楽業界の未来を考えれば、こうした出演者ごとのきめ細かい対応は必要とされるだろうし、それによって出演者のみならずライヴハウス側も淘汰されなければならない。

プロ・スポーツの世界でそうであるように、代理人がこうした折衝をライヴハウス側と行なうなど、開かれたシステムにしていく必要があるのかもしれない。

もともとミュージシャンは極めて零細な商売だ。客を呼べない時代に世話になるという負い目もあるだろう。スタート地点が平等ではないのだから、なかなか改善と言われても難しいのが現実に違いない。

そこをブレイクスルーするには、やはり第三者の立場で専門家が介入し、合理的な交渉が可能になる関係性を築く必要があるのではないだろうか。

どちらの記事にも「搾取されるだけのライヴなどヤル気がなくなる」という感情が漂っていることがとても気になるだけに、これからも考えていきたい。

photo by welovetaipei