すでに2008年に“初音ミク”がグッドデザイン賞を受賞していましたが、
このたびVOCALOID(ボーカロイド)を対象に、
ロングライフデザイン賞が授与されました。
ボーカロイドとは「メロディと歌詞を入力すれば、
実際の人の歌声から収録したデータを用いて
ヴォーカルパートを制作可能な歌声合成技術および
その応用ソフトウェア」という定義。
「VOCALOIDが歌った音楽は、動画投稿サイトで
クリエイターとリスナーが交流する契機に、
そして多くの新しいクリエイターが音楽を発表する
後押しとなり、新しい音楽文化の形成に寄与した」
というのが、今回の受賞理由になっています。
ボーカロイドのどこが“デザイン”なのかについては、
- いつでもどこでも誰でも、気軽に歌声を楽曲に加えられる技術の創出
- 「人間の声に近づける」ことと「新しい音色や歌い方」ことへのあくなき追求
- 音楽シーンに社会的とも言える大きな変化と活気を与えた影響力
と説明されています。
これはつまり、社会の在り方を考えるということも
デザインの一種であり、そこにボーカロイドという
技術が効果的に係わっていることを評価した、
ということを示しているのだと思います。
ボーカロイドの開発は2000年にスタート。
2003年に初代が発表され、2004年にPC向け
パッケージが発売されました。
2018年の最新版VOCALOID5では、
商業的な利用も広く行なわれるようになり、
ポピュラー音楽界ではすでに
「なくてはならないアイテム」として
認知されている技術になっています。
もはやボカロは単なる「発生装置」にとどまらず、
全世界の音楽や文化に貢献するひとつのキャラクターとして
評価すべき段階を迎えていることが、今回のグッドデザイン賞
受賞で改めて明らかになったと言えますね。