2018年11月16日に開催された東京文化会館小ホールのプラチナ・シリーズ 第3回公演「吉野直子&徳永二男」の感想メモを、会話形式にまとめ直してみました。
ハープとヴァイオリン、まさしく華麗なるサウンドの二重奏だったなあ
東京文化会館の小ホールで開催されたプラチナシリーズの第3弾、「吉野直子&徳永二男〜ハープとヴァイオリン、華麗なるデュオ〜」だね。
オーケストラでハープが入っていたりしたのは観たことがあったけど、こんなにクローズアップされたコンサートは初めてかな。
吉野直子さんのリーフレット掲載の紹介。
世界のハープ界で最も注目されている逸材。
ロンドンに生まれ、6歳よりロサンゼルスにて、スーザン・マクドナルド女史のもとでハープを学び始めた。1981年に第1回ローマ国際ハープ・コンクール第2位入賞。1985年には第9回イスラエル国際ハープ・コンクールに参加者中最年少の17歳で優勝した。
これまでに、ベルリン・フィル、イスラエル・フィル、チューリヒ・トーンハレ管、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、フィルハーモニア管、フィラデルフィア管、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスなどのオーケストラや、アーノンクール、メータ、ブーレーズ、ブロムシュテット、メニューイン、フリューベック・デ・ブルゴス、小澤征爾など、国内外の著名オーケストラや指揮者と共演を重ねている。リサイタルもニューヨーク、ウィーン、ロンドン、東京など世界の主要都市で数多く行っている。また、ザルツブルク、ルツェルン、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン、マールボロ、セイジ・オザワ松本フェスティバルなど、世界の主要音楽祭にも度々招かれ、常に好評を博している。室内楽の交流も幅広く、ヴァイオリンのクレーメル、ヴィオラのV. ハーゲン、今井信子、チェロのC. ハーゲン、フルートのニコレ、ランパル、シュルツ、パユ、ホルンのバボラークなどと共演を重ねてきた。また、ハープの新作にも意欲的に取り組み、武満徹「そして、それが風であることを知った」、細川俊夫「ハープ協奏曲」、高橋悠冶「Insomnia」、マヤーニ「ソナタ第2番」など初演した作品は数多い。
レコーディング活動も活発で、これまでにテルデック、フィリップス、ソニー・クラシカル、ヴァージン・クラシックスなどからCDを発表している。2015年には、フランスのアパルテ (Aparté) からオーヴェルニュ室内管と共演した「ハープ協奏曲集」を発表した。また、自主レーベルのグラツィオーソ (grazioso) を創設して、5年計画の録音プロジェクトを開始。その第1作「ハープ・リサイタル~その多彩な響きと音楽」を2016年に、第2作「ハープ・リサイタル 2~ソナタ、組曲と変奏曲」を2017年に、第3作「ハープ・リサイタル 3~バッハ・モーツァルト・シューベルト・ブラームス 他」を2018年に発表し、いずれも非常に高い評価を受けている。
1985年アリオン賞、1987年村松賞、1988年芸術祭賞、1989年モービル音楽賞奨励賞、1991年文化庁芸術選奨文部大臣新人賞、エイボン女性芸術賞をそれぞれ受賞している。国際基督教大学卒業。
吉野直子オフィシャルサイト|バイオグラフィーより
キャリア30年超の第一人者なんだねー。
対する徳永二男さんは、長年NHK交響楽団のソロ・コンサートマスターを務め、在籍時には日本のヴァイオリン界の重鎮だよね。
この2人の、それもデュオを聴けるのは、かなり貴重だったんだよねー。
曲目
J.S.バッハ/グノー:アヴェ・マリア
シューベルト:ソナチネ第1番 ニ長調 D384
シューマン:アラベスク ハ長調 op.18(ハープ・ソロ)
シュポア:モーツァルトの《魔笛》の主題によるポプリ~ソナタ・コンチェルタンテ ニ長調 op.114より~
ミルシテイン:パガニーニアーナ(ヴァイオリン・ソロ)
ルニエ:黙想(ハープ・ソロ)
クライスラー:愛の喜び
マスネ:タイスの瞑想曲
サン=サーンス:幻想曲 イ長調 op.124~ヴァイオリンとハープのための~
【アンコール】
クライスラー:美しきロスマリン
クライスラー:愛の悲しみ
ハープとヴァイオリンで「アヴェ・マリア」や「タイスの瞑想曲」のナマを聴けるなんて、滅多にないよね。
ハープは主旋律のヴァイオリンをサポートするだけでなく、自らメロディと和音を重ねることのできる貴重な楽器だということもよくわかった。
ピアノというか、ギターみたいだね、それって。
まさにそんな感じがしたね。ただ、楽器の構造上、あれだけの大きさがあるのに、ヴォリュームが弱いんだ。それがハープの魅力的な音色にもつながっているんだけど。
音が直線的じゃなくて、包み込むような感じになるからなのかな。
そうだね。弦がむき出しで、全方向に音が発せられているからね。
音階は固定されてるの?
いや、確か、ペダル操作でクロマティックになってるはず。だから、上半身の優雅さに対して、足元がタンゴを踊るより激しいと例えられるみたいだね。当夜もそんな場面があったけど。
サン=サーンスの「幻想曲」が本編のラストだったんだ。
うん。圧巻だった。これを聴けただけでも、来た甲斐があったかな。