街全体を音楽のテーマパーク化するには軸となる音楽家が憧れる“場”が必要

横浜音祭り2022の総括的な、山中竹春横浜市長とピアニストの反田恭平さんの対談。

反田さんはクロージング・コンサートを担当。

山中市長から、横浜に続々とKT Zepp Yokohama、Billboard Live YOKOHAMA、ぴあアリーナMMといった音楽関連の大規模施設が新設されていることに触れ(2023年秋には2万人規模のKアリーナ横浜も)、「世界にも類を見ない規模の(音楽関連施設がある)都市」と指摘。

それらに付随して、観光名所をつなぐことで、「街全体をテーマパーク化するというのが目標」と展望を語っている。

それに対して反田さんは、「今の時点で」と断わりながら、横浜の“音楽の街”というイメージかどうかについて「正直そんなにはない」と返答。

しかし、演奏家目線では「やはり横浜みなとみらいホールの存在感が大きいです」としている。

これは、山中市長が掲げた音楽施設がクラシック音楽向きではないことも影響しているのだろうけれど。

なぜ反田さんがみなとみらいホールの存在感に触れたかというと、その観客の“聴く力”の高さを評価しているから。

そうした環境から、突出した才能が生まれることへの期待感へとつなげている。

反田さんは演奏の場の多様化にも触れているが、コロナ禍の影響で横浜の市中のリーズナブルに音楽を楽しめる場所が消えつつあるのは、個人的に心配しているところ。

反田さんはまた、音楽ホールのタブレット利用を推進しているところが興味深い。

反田 例えばオペラを鑑賞するときに、字幕をずっと見ていると首が疲れるという問題があります。それを手元のタブレットで見られたら少し楽になるだろうし、あとは人物相関図とかも表示できるようになっていれば、より理解も深まります。いろいろなことができると思うんです。

確かに!

これはぜひ各ホールで導入していただきたい。自前のタブレットでも対応できるようにすれば、機器の貸し出しやメンテナンスなどの手間もかからずに済むのではないかと思うので。

アプリに関しては、チケットとの連動や、割引、クーポンなどなど、ビジネス化の可能性も多く含まれているので、興行側と出演者のパイを分けるという意味でも、一致協力してウィンウィンの未来を考えていただきたい。

「少し愛して、長〜く愛して」がこれからの音楽サブスクの収益戦略だ[メモ]

音楽のサブスクの展望について触れる

CD全盛期からの変化

当時(1990年代~2000年代)は売上枚数が最重要指標

「発売日までどれだけ盛り上げるか」で売上は決まっていた

しかし、CD売上は1998年をピークに下降線

音楽との接触が多様化

一方でサブスクは拡大

サブスクの著作権使用料はプラットフォームの収入が原資

キーとなるのが再生時間

いかに長く楽を聴いてもらうか

発売後も話題を提供し続ける努力が必要に

ドイツ・グラモフォンが配信サービスに進出

クラシック音楽の老舗レーベル、ドイツ・グラモフォンが配信サービスに乗り出すというニュース。

タイミング的にはコロナ禍の真っ只中がベストだったろうにとは思いますが。

しかし、環境が整った(配信サービスの敷居が下がった)タイミングを見計らったとも取れるローンチかもしれませんね。

すでに興味のあった人は、2022年秋スタートの英語版(とドイツ語版)をチェックしていたかもしれませんが、日本版の登場でさらに敷居は下がったのではないでしょうか。

ロスレス音源に加えて4K画質と、スペックも申し分ないもののようですので、チェックしてみたいと思います。

日本初のプロジャズバンドを作ったといわれる井田一郎が話題になっています

日本のジャズ100年で神戸が盛り上がっていますね〜。

日本にジャズが上陸したのは神戸が先か横浜か、という論争があって、ボクも数年前に資料をひっくり返してみたりしたのですが、結果はビミョー(笑)。

高島嘉右衛門さんがジャズに興味があったという資料があれば横浜違うんでしょうが、どうも神戸のほうが西海岸航路のルート的にも起点だったりと、条件は整っていそうです。

彼らが耳にした“ジャズ”は、いまとは結びつかないような違うスタイルの音楽だったようですが、「日本人の心をときめかした」という意味では、通じるものがあるのかもしれません。

#神戸ジャズ100年