[ニュースクリップ]アメリカでアナログ・ディスクへの巻き戻し現象発生?

 

アメリカでアナログ・レコードの生産が好調という記事が目にとまりました。

 

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「最高の音楽体験を求める人はレコード盤を求めている」米レコード製造工場、好調で事業拡大 « WIRED.jp



実はこうした現象は……

 

産業技術の移行期にはよくあることだという話を読んだことがあります。

たとえば、活字印刷の業界では写植からDTPへ移行して、いまや骨董的な価値しかなくなってしまっているわけですが、大半の事業者が廃業したために、かろうじて残っている事業者に仕事が集中してしまうというわけです。あくまでも一部の残っている仕事なのですが。

つまり、そのかろうじて生き残っていた事業者にとっては空前の売上を記録するような活況というわけですが、業界全体では発注数が増えていることはなく、集中している仕事にしてもいずれはDTPの技術革新で吸収される可能性が大きいわけです。

すなわち、起死回生はかなり難問である、と。

アナログ・ディスクに話を戻すと、記録メディアとしてはCDよりも優れている点があったり(収録周波数の面など)、収集アイテムとしての存在感が高いことなど、優位性も認められます。

大量消費の工業生産品としてではなく、工芸品的な視点であれば、ひょっとしてまったく違う展開があるのかもしれないとも思ったりします。

個人的には、LPを買っていたころにやれアイランドの原盤だとか重量盤だとかと、アルバム自体とは別の部分でこだわっていたりもしていたので、その意味での付加価値は付けやすいアイテムではないかとは思いますね。「名人ナントカ氏のハンドメイド・プレス限定100枚」とか、「漆仕上げ鏡面磨き」とか(笑)。

それはそれで、おもしろい展開になるかもしれません。期待しちゃおうかな。