収容制限を受けていたライブハウスでも100%入場を認める方向へ【ニュース拾い読み】

新型コロナの感染拡大で収容人数が制限されていたライブハウスについて、観客が声を出す時間を限定するなどの条件で会場の収容率を100%とすることを認めるガイドラインを業界団体がまとめたことがわかりました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221015/k10013859571000.html

コロナ禍が始まった2020年春、
クラスターが発生するなどで
槍玉に挙げられていたのが
音楽を提供するライブハウスでした。

連日のようにテレビのワイドショーに
取り上げられるなど、なかなかの
バッシングを受けていたことが
思い出されます。

こうした状況を受けて、当時から
業界の3団体が中心となって、
2020年6月以降に感染対策の
ガイドラインを策定。

コロナ禍の状況に合わせて改定を重ね、
なんとか店舗でのライヴ興行ができる
状態を切り拓いてきました。

第7波が落ち着きを見せ、社会的な影響も
少なくなってきたと見られるこのタイミングで、
会場の収容率を100%とするガイドラインを
新たにまとめたということです。

具体的な条件として、
会場内でのマスクの着用
換気の徹底
といって基本的な感染対策は継続。

そのうえで、
観客の声が通常の会話の音量を上回らない
観客が声を出せる時間を1曲のうちの25%程度に制限
といった要件が付け加えられるとのことです。

出演者が観客を煽って声を出させないこと、
会場のBGM音量を絞って観客の大声での会話を防ぐこと、
といった“規律”が提供側に求められることになりますが、
う〜ん、どうなんでしょうね?

これまで“音量”に関しては、近隣の騒音問題ぐらいしか
俎上に挙げられなかったのがライヴハウス業界だったはず。

感染対策といった関係者の健康問題を踏まえなければ
ライヴを開催できないとなれば、やはりニューノーマルな
ガイドラインを考えて実施しなければならないでしょう。

それとも、これを契機に、業界全体の
メタバースへの移行が加速するという
パラダイムシフトが起きる可能性も
あるのではないかと思ったりするのですが。。。

おそらく現場では、ライヴ配信の限界をヒシヒシと
感じているのではないかと思います。

インフラの課題を考えるという意味では、
感染症対策もライヴ鑑賞のスタイルの更新も
先送りできないものだと思います。

「元に戻す」のではなく「新たに進める」という
発想でエンタテインメントの未来を創造して
いただきたいと思っています。

世田谷区の謎解き町おこしから考えるイベント2.0へのアップデート【ニュース拾い読み】

東京・世田谷で始まった「謎解き蘆花まつり」に
興味をもったので、ちょっと調べてみました。

「謎解き蘆花まつり」とは

東京・世田谷区内で開催される町のイベントで
世田谷区制90周年を記念して始まった
烏山地域花まつりというイベントのなかの
特別企画として提供されるのが
「謎解き蘆花まつり」です。

「謎解き蘆花まつり」はコロナ禍で従来の開催が
難しくなった「蘆花まつり」の新しいカタチとして
提案されたもので、内容は地域周遊型の謎解きイベントになっています。

各地の町おこしイベントのアップデート状況

町おこしでいろいろなイベントが
各地で企画され実施されています。

このサイトでは成功事例を取り上げています。
もちろん、この陰には死屍累々なのでしょうが。。。

参加型として注目を浴びているのが
この謎解きイベントだと思います。

このタイプのイベントが好評を博していた理由には
まずネット環境やモバイル普及率が整ったことが
かなり影響していると言えるでしょう。

それ以前では、「公演型」と呼ばれる
イベント開催会場を町のあちこちに分散させて
その会場を歩き回ってもらうというもの。

1990年代にブームとなった「〜まつり」や
「〜ストリート」「〜プロムナード」といった
名称の老舗町おこしイベントがこれに該当します。

アップデートされた「謎解きイベント」は
会場を特定せずに屋外を区切りなく移動してもらう
というのが特徴になっています。

スタンプラリーよりも支持を得た理由は、
やはりスマホによるガイドが簡単になり、
スマホ経由でコンテンツや特典を贈りやすく
なったことにあるでしょう。

まとめ

観光立国として生き残りを考える日本にとって、
謎解きイベントはかなり有力な助っ人になるのでは
ないでしょうか。

観光資源として遺跡や名所は
そのエリアに存在しなければ
アピールできません。

しかし「謎解きの謎」であれば
絞り出すことができるはず。

バーチャルも含めて
新たな「観光」を考えて
地域の活性化をめざす
という切り替えが急務に
なっているのだと思います。

音楽業界躍進の #TuneCore とは? #ABEMAヒルズ

昼に見ていたAbemaTVの「ABEMAヒルズ」で、「音楽業界躍進のTuneCoreとは?」という特集を組んでいたのでメモ。

https://abema.app/oDWg

紹介されていたのは、チューンコアジャパン代表の野田威一郎氏。

彼によると、TuneCoreとは「アーティスト向けのデジタル音楽のディストリビューションサービスをインターネット上で展開している会社」とのこと。

インディーズ・アーティスト向けの音楽配信の支援サービスが中核事業となっているようです。

TuneCoreにアーティストが自作の曲を登録すると、2日ぐらいでApple MusicやLINE MUSIC、Spotifyなどの“聴き放題サービス”にその曲がアップロードされるということです。

アーティストは1曲につき1,551円/1アルバムにつき5,225円の料金(1年間、税込)を支払って契約すると、訳55のストリーミング・サービスの配信ストア(185ヵ国以上へ配信)に曲が登録されます。

これらのストアでは、1曲再生されるたびに料金が発生しますが、TuneCoreはその収益を100%、契約者であるアーティストに還元するというもの。

従来は、事務所かレーベルに所属しているアーティストじゃないとこうした配信ストアと契約できなかったものが、TuneCoreという法人が入ることによって、アーティストが個人であっても法人と同条件でメジャー契約と同等の配信のチャネルを利用することができるようになった、というわけです。

TuneCoreでは、2021年に約98億円をアーティストに還元。インディペンデントであっても稼ぐことができるアーティストが増えてきているということです。

TuneCoreは10年前からサービスを開始し、ここから配信された楽曲は100万曲を超えているとのこと。その結果、アーティストへの還元額も右肩上がりになっているそうです。

事務所などの“後ろ盾”のないアーティストが稼げるようになった背景には、TikTokやYouTubeショートなどSNSを使った認知度アップが可能になるなど“マーケットの変化”があり、大きな事務所やレーベルの力を借りなくてもできる可能性が高くなってきている、と

つまり、「事務所との契約→CDの全国販売」という収益のチャネルがシュリンクし、eコマースで収益が確保できる環境が整ってきたことが、アーティストの目標自体を変えてしまった、ということでしょう。

野田氏が今後の鍵と考えるのは、日本でのストリーミング・サービスの普及だとのこと。

ここ数年で利用者数は増加しているものの、世界に比べて日本ではCD文化が根強く残っていることが指摘されています。

日本の音楽市場にとって、CD文化からの脱却がさらなる成長をもたらす、と野田氏は語っています。

海外では音源売上の75%が言い放題=ストリーミングのかたちになっていて、CDに固執している日本は特殊だという状態。

そのなかでも、ストリーミングに対応した新しいアーティストが増えてきていて、それによって、マーケットの規模感における販売チャネルの在り方も含めて、世界標準に追いつかなければいけない最後のチャンスなのではないか、と。

なによりもこのTuneCoreの良い点は、アーティスト・ファーストであること。

野田氏も「できる限りアーティストに寄り添ったかたちで彼らがいまいちばん必要としているようなサービスを恒に提供していきたい。そのお手伝いをどこよりも良いクオリティで打ち出していくことと、あとは海外にリスナーを増やす戦略を出していきたい」と語っています。

世界の音楽市場は18.5%も成長しているというハナシ【ニュース・ピックアップ】

動画解説はこちら↓

音声のみはこちら↓

Music Ally Japanのメールマガジンで、「世界の音楽市場、2021年は18.5%増259億ドルに成長。音楽サブスクは21.9%増。IFPIレポートと最新トレンドを解説」という記事が流れてきたので、興味津々で読んでみました。

これは、IFPI=国際レコード産業連盟が発表した最新の音楽市場レポートをもとにした記事で、「世界の音楽市場は前年比18.5%増で売上規模は259億ドル。IFPIがグローバルレポートを報告し始めて以来、最も高い成長率を達成し」たことを伝えるものになっているとのこと。

音楽ストリーミングからの売上は前年比24.3%増の169億ドルで、売上シェアの65%をストリーミングが占めるまで成長。

また、音楽サブスクリプションからの売上は21.9%増の123億ドルで、全体の47.5%を締めるまでになっています。

サブスクの伸びはコロナ禍の追い風を受けたものと推測されますが、一方のフィジカル音楽(CDやDVDなどの現物販売)の売上も2021年にはプラスに転じているとのこと。

記事のまとめでは、ユニバーサルミュージック 市場開発担当執行副社長 アダム・グラナイト氏のIFPIのレポート発表時のパネルディスカッションでの発言を挙げて、「消費者の傾向として、音楽サービスに課金するだけでなく、音楽も利用できるサービスにお金を払う人が増えていること」を指摘、フィットネス領域と音楽ビジネスとを組み合わせた課金サービスなどの可能性について言及していたことが興味深かったですね。

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#定禅寺ストリートジャズフェスティバル 3年ぶり開催への期待と不安

河北新報の記事で、宮城・仙台の日本を代表する野外音楽街フェス“定禅寺ストリートジャズフェスティバル”が、3年ぶりの開催に向けて試行錯誤しているとのこと。

今年の開催予定は9月10日と11日。

4月6日に出演アマチュアバンドの申し込みが始まったとのことですが、出足が鈍いそうなのです。

このフェス、仙台のみならず東北近県から関東も含めて応募が殺到、出場のハードルも高いことで知られています。

それが不調?

というのも、やはりコロナ禍が影響しているとのこと。

主催の協会が設定した出演希望者に課した条件がネックになっているもようなのです。

まず第1ハードルが「ワクチン接種済」。18歳以上は、ワクチンを3回、5〜17歳は、ワクチンを2回。

そして2つめが「出演当日を含めて3日以内にPCR検査もしくは抗原検査で陰性を確認」というもの。

このフェスはほとんどが屋外会場だったはずなのですが、この条件付けはかなり厳しいですね。

なお、この条件は4月1日時点でのもので、新型コロナウイルス感染症対策アドバイザーの東北医科薬科大学・藤村茂教授の意見をもとに適時変更するとのことです。

参照:申込方法の注意点(https://www.j-streetjazz.com/entry/

ちょっと過剰かのような書き方をしてしまいましたが、3年ぶり開催に向けて万全の体制を敷こうという意気込み、予測不能なコロナ禍に対してなんとか抗いたいという気概を感じさせる体制ではないでしょうか。

行政頼みではない民営フェスならではの苦肉の策だとは思いますが、この条件付けで18歳未満の応募がかなり制限され、それが申請の足かせになっているもようです。

知見をフレキシブルに活かして、出演者、参加者に寄り添った開催ができるように、がんばっていただきたいと思います。

#音楽ナタリー 記事「あれから2年、ライブハウスの状況はどう変わったのか?全国13店舗の店長に改めて聞いた」読んだよ

音楽関連の情報を配信している音楽ナタリーのサイトでは、2年前のコロナ禍の状況で各地のライブハウスの現状を伝える記事を連載していました。

今回、その連載「店長たちに聞くライブハウスの魅力」に登場してもらった店のなかから全国のライブハウス15店舗の店長にアンケートを実施。

3年目に突入しているコロナ禍でライブハウスはどう生き残っているのかを伝える記事になっています。

全体的に、「2年前は真っ暗闇」だったものが、「目が慣れてきた」という感じが共通した状況といったところ。

そうしたなかで、「やれること」と「やりたいこと」が区別できるようになり、明確になってきたという意見も多くなっているのが印象的でした。

すべてのビジネスにおいて右肩上がりの成長はもちろん、一定の成功原則などはあり得ないのが現実。

状況に合わせた柔軟な対応ができるところが、淘汰を生き残る鍵にもなっているのではないでしょうか。

以前のような「密のなかで音楽に浸れる幸せ」をぜひとも(新たな知見による感染症対策を講じたうえで)取り戻していただくとともに、WEB3.0時代のエンタテインメントの新たな楽しみ方の提示にも向いてほしいと思っています。

2022/04/01のニュース拾い読み(動画)

4/1のニュース拾い読み(音楽ライター富澤えいちの17ライブ配信用)
を配信します。

音楽ライター富澤えいちが平日午前10時ぐらいまでのニュースのヘッドラインをピックアップして、コメントを付け加えるという内容の配信です。

音楽を取り巻くエンタテインメント業界は、社会生活と密接に関係しています。コロナ禍では「不要不急」の槍玉に挙げられましたが、エンタテインメントは社会と切り離して語れるものではなく、むしろ現代社会の映し鏡の一面もあると考えています。
また、ニュースを介して社会に関心をもち、つながりを感じることは、孤立感を解消させるという意味で、精神衛生上にも良い効果をもたらすものと考えています。そうした意味を込めて、ニュースの動向を探っていこうと思っています。

富澤えいちは17ライブ(https://jp.17.live/ja)でジャズに関する配信をしています。お気軽にお立ち寄りください(id:えいち_jazzを検索してね)。エールをポチッと(無料です)してもらえると嬉しいです。。。

4/1配信の進行台本を公開しています。
https://bit.ly/3wQzwIl
記事単体は100円ですが、月単位のマガジン390円でその月に追加される記事を読むことができます。

日本の音楽産業が新たなフェーズに入ったそうです

この記事によると、シュリンクしたままと思われていた日本の音楽産業が、「ストリーミング形式」に牽引されるかたちで、V字とはいかないまでも、回復基調を示す数字が上がっているようです。

音楽ソフトの総生産が2000億兆円規模で、そのうち音楽配信が900億円。売上の水準が2009年ごろの規模を回復したということです。

サブスクリプションの波及によって収益の希薄化が予想されていただけに、これは意外。

配信のなかでもストリーミング形式が700億円を占め、前年比126%の成長率とか。

「楽曲単品・アルバム単位でのダウンロード販売の売り上げが下がり続けている」のは想定どおりですが、これを補っているのがストリーミング形式だというわけです。

ザックリと言ってしまえば、リスナーは曲(音楽)を(ピンポイントで)買うのではなく、音楽を生活と組み合わせたライフスタイルとして考え、そのための投資をしているというか、もっと直裁に言えば「音楽というタイムラインを買っている」ということになるのかな、と。

そこで気になったのが、この記事。

ここでは「音楽の値段」というテーマで近年の音楽産業の収益構造についてまとめているのですが、ストリーミング・サービスの収益率の高さに言及しているんですね。

要するに「儲けすぎ」だと。

これらを合わせてみると、音楽産業の回復事情も腹落ちしてくるわけですが、だとするとプラットフォーマーでなければ将来はかなり厳しいことになる。

インディペンデンスがどう生き残るのがを含めて、考えさせるというか、考えなければならないことの基礎にある気付きを与えてくれる記事だったと思います。