バスキアのチャーリー・パーカーへのオマージュ作品「Now’s the Time」がオークション・デビュー

ジャズを自分の表現に取り込んだことでも知られる現代アート作家のバスキア。

彼がチャーリー・パーカーのアルバム『Now’s the Time』のレコード盤を再現した同名の作品が、「5月18日にサザビーズ・ニューヨークで行われるイヴニングセールに出品される」というニュース。

バスキアはその半生が映画化もされ、評価もかなり高まることが予想される。

パーカーへのオマージュではあるものの、人種差別への抵抗を表明するためのキーワードとしてパーカーのアルバム・タイトルを使ったという面が強く、音楽自体と作品が結びついているとは言えない(アナログ盤を模した形状という共通性は見せているが)。

いずれにしても注目度は高まるはずなので、続報を待ちたいと思います。

デジタル村民も参加してジャズと和太鼓のコラボ・イベント開催[ニュース拾い読み]

新潟県長岡市の山古志地区(旧山古志村)でイベントがあったというニュース。

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普通の村おこしのイベントと違っていたのは、”デジタル村民”が参加して盛り上げていた部分。

山古志の“デジタル村民”については、前に書いた記事を読んでみてください。

イベント“山古志ジャズ”は今回で2回目。

規模としては音楽イベントと呼べないものかもしれないが、(“デジタル村民”も含めて)地区の人々の心をまとめるパワーはあったのではないかと思う。

地域活性化の名のもとに音楽イベントが企画され、内情は行政の予算頼みだったり、採算のために規模を変えたりと、何が目的だったのかが忘れ去られ、関係人口にさえ興味をもってもらえないものが居残っていると感じる昨今。

こんな手づくり感丸出しなのに、最先端のデジタルな関係性を利用しながら、しっかりとリアルな実績を残しているイベントって、やっぱり担い手の熱量とシンプルな目的意識の設定と共有が大切なんだなあと思ったわけです。

“質問”というコミュニケーションの手段は“対すれば相和す″という塩田剛三の境地に通じる(かな?)[ニュース拾い読み]

米誌「アトランティック」の記者による、質問の“極意”についての記事。

ベテラン記者が自らの業績を振り返り、自分は質問上手だと自負し、賢い質問がその自らを支え、仕事を継続させてきたと「思っていた」というマクラから始まる。

「賢い質問というのは、質問者が賢いということを相手に伝えるための質問のことだ」という指針は、おそらく質問を生業とする人なら陥るに違いない心境だと思う。私も仕事を始めたころは、そう繕うのに必死だった。無理もないのは、被質問者が質問者を品定めすることのほうがアタリマエのことだったからだ。自分の未熟さやバカさを見抜かれないようにするというのが、取材やインタビューの記者側の基本スタンスなのだ。そのための目標は、当然、賢い質問ができたかどうか、ということになる。

特にアメリカ人に多い印象があるのだけれど、「良い質問だね」と、答えを返してくれる前に付け加えてくれることがある。日本人では質問者にそういう言葉を投げかけることはほとんどなかったので(30年前のことだ)、最初のころはとても嬉しかったものだ。

しかし、そうしたことが何回が重なると、自分の質問を冷静に振り返るようにもなって、そうすると「ちょっとオーバーかな」と思うようになった。結論から言えば、相手にとって私の質問の仕方内容は「まあまあ」で、「悪くない」から「良い」程度の社交辞令、あるいは自分が気持ち良くしゃべるための合いの手ぐらいのものだったんじゃないかと気付いたわけだ。

それから私は、どうやって相手が気持ち良くしゃべれるかを考えて質問に臨むようになったと思っている。

記事でもBDQ、デカくてバカな質問(Big Dumb Question)の無意味さに解れているが、BDQで攻めるのではなく、小さくてパーソナルな質問を積み重ねて、その席のテーマとしてのBDQで締め括れるようなストーリーが描けるようになれば、その記事は成功したと言えるんじゃないかと思っている。

そして、本来のBDの使い方は「それについて知らないから教えてほしい」という姿勢を見せることであり、それによって相手の胸襟を開くことを目的にしなければならない。インタビューはマウンティングの場ではないのだから。

記事はこう締め括られている。

「いい質問というのはきっと、より充実した質問にたどり着くための質問のことなのだ」

そう、だから私は質問の途中で言い淀んだり、回りくどくなって「もう一度言って」と言われたりしたときのほうが、「しめた!」と思うのだ(笑)。

アーティストのファンダム醸成に効果⁉Symphonic DistributionとBonsaiパートナーシップ締結[ニュース拾い読み]

これからの音楽産業で重要な位置を占めると考えられるファンダム醸成にとって、強力なツール連携になるのではないかというニュース。

Symphonic Distributionは、「インディペンデントなアーティストやレーベルにディストリビューションやマーケティングサービスを提供している」企業。

このSymphonic Distributionを利用して配信をしているアーティストに対して、Bonsaiというツールが使えるようにしたということです。

Bonsaiは、オーディオファイル形式の「オーディオグラム」を送れるサービスで、これによりファンはSymphonic Distributionを利用するアーティストに対して質問をすることができ(要課金)、その回答をアーティストが「オーディオグラム」で返すというもの。この「オーディオグラム」は唯一無二のもので、デジタルコレクティブとして集めたり、シェアができるわけです。

音声のNFTという感じでしょうか。

ディストリビューターがこうした取り組みを始めたことに注目が集まっているようです。確かに、マネジメント事務所やレーベルではないところからこうした試みがスタートするのは珍しいかも。

それほど流通の構造変化が劇的であり、危機感をもっている証拠でもあるのかな。

逆に、ファンダム醸成に対してレーベルやマネジメント事務所のスピード感が鈍いということでもあるかも。

Spotify月間リスナー数5億人突破[ニュース拾い読み]

Spotifyが2023年Q1(1〜3月期)の実績を発表し、月間アクティブリスナー(MAU)が初めて5億人を超えたようです。

サブスク利用者は2億1000万人を突破したとか。

全世代ユーザー層で利用者は増加。特に広告付きの無料ユーザーが伸びていますね。

ということは、売上高は伸びていないことがわかりますが、前年同期比で14%増ではあったものの、予想額には届かず、営業損失が1億5600万ユーロ(約229億円)の赤字になっています。

これに対してSpotifyは、マーケティングコストを引き下げて対応。総収益率は前年同期比と同じ水準に維持、としています。

今後の見通しとしては、2Qでアクティブユーザーは5億3000万人に到達すると予測。積極的に規模を拡大するとしています。

UIの刷新や縦型ショート動画を投稿できる機能の追加など独自機能の導入にも積極的で、2023年はSpotifyの動向からも目が離せなくなるようです。

バレエには人種の多様化時代に適応することでどんな進化がもたらされるのだろう?[ニュース拾い読み]

パリのオペラ座バレエ団という新界最高峰において、最上級団員に初のアフリカ系と日本人が昇格したというニュース。

海外で活躍している日本人は野球やサッカーだけじゃないんだよ、という感想で終わってしまうんだともったいないので、もうちょっと深掘り。

スポーツにも白人優位(特にフィジカル)はあるけれど、バレエのような独得の“美意識”を芸術性と絡めて発展してきたジャンルでは、人種差別以前の“門の狭さ”があると思う。

演劇の“当て書き”のような、あるいはジャズで言う訛りのような。

その平準化は世の流れであるとともに、アイデンティティとしてどうなのかという異論も必要な
のではないだろうか。

この昇格は、人種差別問題にも積極的に発信してきたディオップ氏にとってエポックになり、その意味において有意義なことであると思う。

オニール八菜氏の昇格が、付属学校以外の出身者という”異例”の登用だったことも、政治的ではあるが、時代の“扉”を開いた大きな一歩だと称えたい。

いずれにしても、身体表現による芸術がひとつの“規範”を拠り所として体裁を保ってきた
時代は終焉を迎え、少なくとも芸術のうえでは「人類は皆兄弟」という理念のもとに再構築されていくようだ。

その良し悪しは、圧倒的な結果を生むか否かにかかっているはず。

その重責を背負ってしまったディオップ氏とオニール氏の活動に、期待を込めて注目していきたい。

街全体を音楽のテーマパーク化するには軸となる音楽家が憧れる“場”が必要

横浜音祭り2022の総括的な、山中竹春横浜市長とピアニストの反田恭平さんの対談。

反田さんはクロージング・コンサートを担当。

山中市長から、横浜に続々とKT Zepp Yokohama、Billboard Live YOKOHAMA、ぴあアリーナMMといった音楽関連の大規模施設が新設されていることに触れ(2023年秋には2万人規模のKアリーナ横浜も)、「世界にも類を見ない規模の(音楽関連施設がある)都市」と指摘。

それらに付随して、観光名所をつなぐことで、「街全体をテーマパーク化するというのが目標」と展望を語っている。

それに対して反田さんは、「今の時点で」と断わりながら、横浜の“音楽の街”というイメージかどうかについて「正直そんなにはない」と返答。

しかし、演奏家目線では「やはり横浜みなとみらいホールの存在感が大きいです」としている。

これは、山中市長が掲げた音楽施設がクラシック音楽向きではないことも影響しているのだろうけれど。

なぜ反田さんがみなとみらいホールの存在感に触れたかというと、その観客の“聴く力”の高さを評価しているから。

そうした環境から、突出した才能が生まれることへの期待感へとつなげている。

反田さんは演奏の場の多様化にも触れているが、コロナ禍の影響で横浜の市中のリーズナブルに音楽を楽しめる場所が消えつつあるのは、個人的に心配しているところ。

反田さんはまた、音楽ホールのタブレット利用を推進しているところが興味深い。

反田 例えばオペラを鑑賞するときに、字幕をずっと見ていると首が疲れるという問題があります。それを手元のタブレットで見られたら少し楽になるだろうし、あとは人物相関図とかも表示できるようになっていれば、より理解も深まります。いろいろなことができると思うんです。

確かに!

これはぜひ各ホールで導入していただきたい。自前のタブレットでも対応できるようにすれば、機器の貸し出しやメンテナンスなどの手間もかからずに済むのではないかと思うので。

アプリに関しては、チケットとの連動や、割引、クーポンなどなど、ビジネス化の可能性も多く含まれているので、興行側と出演者のパイを分けるという意味でも、一致協力してウィンウィンの未来を考えていただきたい。

「少し愛して、長〜く愛して」がこれからの音楽サブスクの収益戦略だ[メモ]

音楽のサブスクの展望について触れる

CD全盛期からの変化

当時(1990年代~2000年代)は売上枚数が最重要指標

「発売日までどれだけ盛り上げるか」で売上は決まっていた

しかし、CD売上は1998年をピークに下降線

音楽との接触が多様化

一方でサブスクは拡大

サブスクの著作権使用料はプラットフォームの収入が原資

キーとなるのが再生時間

いかに長く楽を聴いてもらうか

発売後も話題を提供し続ける努力が必要に

ドイツ・グラモフォンが配信サービスに進出

クラシック音楽の老舗レーベル、ドイツ・グラモフォンが配信サービスに乗り出すというニュース。

タイミング的にはコロナ禍の真っ只中がベストだったろうにとは思いますが。

しかし、環境が整った(配信サービスの敷居が下がった)タイミングを見計らったとも取れるローンチかもしれませんね。

すでに興味のあった人は、2022年秋スタートの英語版(とドイツ語版)をチェックしていたかもしれませんが、日本版の登場でさらに敷居は下がったのではないでしょうか。

ロスレス音源に加えて4K画質と、スペックも申し分ないもののようですので、チェックしてみたいと思います。

日本初のプロジャズバンドを作ったといわれる井田一郎が話題になっています

日本のジャズ100年で神戸が盛り上がっていますね〜。

日本にジャズが上陸したのは神戸が先か横浜か、という論争があって、ボクも数年前に資料をひっくり返してみたりしたのですが、結果はビミョー(笑)。

高島嘉右衛門さんがジャズに興味があったという資料があれば横浜違うんでしょうが、どうも神戸のほうが西海岸航路のルート的にも起点だったりと、条件は整っていそうです。

彼らが耳にした“ジャズ”は、いまとは結びつかないような違うスタイルの音楽だったようですが、「日本人の心をときめかした」という意味では、通じるものがあるのかもしれません。

#神戸ジャズ100年