海野十三『十八時の音楽浴』[読後所感]

 

近未来なのだろうか、その世界では1日のある時間になると

国民が一斉に指定の椅子に座り、音楽を聴かなければならない。

 

「音楽浴」と呼ばれるこの行事を終えると、国民の誰もが

「同一の国家観念に燃え、同一の熱心さで職務に励むようにな」り、

統治者の思い通りになるというのだ。

「まるで器械人間と同じ」ように――。

 

「音楽浴」の発明者であるコハク博士は、その影響の大きさを

知っていたために、30分以上の「音楽浴」を禁じていたが、

統治者はさらなる効果を求めて「音楽浴」を増やすように

仕組んでいく。そして罠にハマった博士が・・・。

 

この後の展開はSFサスペンス風の読み物としておもしろい

のですが、ボクが興味をもったのは「音楽が人間の

意欲を左右させる」という設定でした。

 

この掌編は、1946年に発行されたもので、終戦直後にこうした

SFミステリがあったということだけでもびっくりなのですが、

軍国主義を未来に転化して反映したシチュエーション以上に、

音楽が脳に与える影響を的確に捉えたモチーフが

斬新です。

 

最近読んでいる音楽と脳科学に関する本では、

実際に音楽が脳の働きと密接に関係していることが

実証されていることを示されているので、

それを半世紀以上前に予知してストーリーに仕立てた

海野十三という作家の発想に、改めて敬意を表したく

なりました。

 

 

 

 

 

 

電子ブックリーダー雑感

 

昨年の暮にソニー社製の電子ブックリーダーを買いました。

reader_screen

「もうちょっと軽ければいいなぁ」「もうちょっと起動が速ければいいなぁ」

「もうちょっとバッテリーが保てばいいなぁ」などなど、多少の不満は

あるものの、実際に持ち歩いてみると、電車での移動中や待ち時間など

サッとカバンから取り出すにはまあまあの器なので、気に入ってます。

画面については、とても読みやすい。

「もうちょっと」で最大の問題は、やはり電子ブック・コンテンツでしょう。

一応、リアル書籍を買う前に電子出版されていないかどうか調べますが、

9割方は電子化されていないのが現状という実感。

これじゃあ、宝の持ち腐れですよね。

電子ブックとリアル書籍を両方持ち歩くんじゃ、ナンセンスだし。

でも、実際にはそうするしかないんです、いまのところは。

 

楽天からKobo Touchという端末が出て、話題になりましたね。

発売前に楽天ではプロモーションを仕掛けていて、この端末を

3000ポイントのバックという優遇をつけて予約販売してました。

いまでも楽天カード会員ならポイント・バック付いてますね。

実質5,000円で変えてしまうということだったので、ソニー社製を

買って間もないボクは「ええっ?」と思ったものです(笑)。

ボクのは15,000円くらいだったかな?

 

電子ブックも楽天koboを使っていたので、思わず買い足しちゃおう

と思ったくらいです。

 

でもやっぱり、いろいろとまだ問題はあるみたい。

フリー・ジャーナリストの西田宗千佳氏が

こんな記事をアップしてます。

【西田宗千佳のRandomTracking】問題の原因、解決のめどは  「楽天Koboに何が起こったか」 -AV Watch-152519

⇒【西田宗千佳のRandomTracking】問題の原因、解決のめどは? 「楽天Koboに何が起こったか」 -AV Watch

初期にはインストール・プログラムのバグが問題に

なっていたようですが、そういう表面的なのじゃなくて、

根本的な問題も解決していないようです。

 

その最たるものが、例によって電子書籍の規格の統一問題。

 

もちろん、日本語表記という大きな壁があるので、

ローマ字圏の表示プログラムとは別の形にしなければ

ならないというハンディはあるわけですが、

なぜかいろいろな思惑が別々のソフトを生み出して、

電子出版の拡大を自滅させています。

 

大きいところでは著作権絡みの違法コピー対策による

規制が邪魔をしているというものですが、

これは日本語に限ってものものではないはず。

 

単純に、ハードでソフトを囲みたいという

メーカーが思惑が絡んだシェア争いという印象を

ぬぐえません。

 

たとえば、「青空文庫」という、著作権切れの古い

文学作品などを読もうとしても、読み込めないものが

あったりするのは、メーカーの怠慢以外のなにものでも

ないと思ってしまうわけですね。

 

スマホの台頭でますます電子ブックの分野は

注目を浴びるはず。

 

専用リーダーには専用リーダーのメリットがあり、

ボクは別々に持っていてもいいと思っているタイプです。

 

だからこそ、もっともっと使いやすいようにしてほしいと

願っているのですが・・・。

 

 

 

 

 

 

ジャズ・イヴェントの告知はユーモアがキモ?[ジャズキュレーション]

 

▼通行人が弾いたピアノで始まる街角即興ジャズセッション「Jazz Kamp Kranj」

 

次にやってきた男性が、ピアノを弾き出すと、少し離れた場所にいたストリートミュージシャンがベースを奏で出す。ギターの青年も加わったかと思うと、ウェイトレスさんがいきなり歌いだした。スロベニアのクラーニ(Kranj)で8月に開催された、若手ミュージシャンによるジャズイベント「Jazz Kamp Kranj」のプロモーションのようで、イベントの数日前に行われたようです。

   ⇒引用:アドバタ会議:通行人が弾いたピアノで始まる街角即興ジャズセッション

なかなか凝ったジャズ・イヴェントの告知トレーラーを見つけました。

CMでは見かける手法ですが、輪が広がっていくようすがイヴェントの性格とリンクして

効果を上げているように感じます。


「ジャズフェス」というキーワードでググっているうちに、

こんな動画が出てきました・・・。

1982年に行なわれたびわ湖バレー・ジャズ・フェスティヴァルでのひとコマ。

タモリさんがおなじみのジャズネタを披露しています(笑)。

 

こちらは1981年ごろのラジオ番組でタモリさんが披露したジャズネタ。

先程のは黒鍵でしたが、チック・コリアは白鍵だったんですね~。

 

すごい発見だぁ! ・・・おあとがよろしいようで。

 

 

 

 

 

 

ビッグイシュー日本版(190,191,192,194)の読後感想記



 

「ホームレスの仕事をつくり自立を応援する」というポリシーのもと

販売員が路上で売っているというスタイルの雑誌が「ビッグイシュー」。

 

販売員さんは主なターミナル駅の近くに立って販売しているのだけれど、

なかなかタイミングが合わないために、買い損なったりすることもあります。

 

そこで、月2回の発行のこの雑誌を、たまたま販売員さんを見つけたときに

まとめて買ったりすることも多いんですね。

 

300円の定価がついているこの雑誌、そのうちの160円が販売員さんの

収入になるそうです。額は小さいですが、これを貯めながら、

路上生活から脱出しようと努力されている人も多いとか。

 

ボクは、記事の内容がとても充実しているので、2009年から買い続けています。

ほんのわずかですが、困っている人の手助けができるというのも

重要かもしれません。


 THE BIG ISSUE JAPAN190号

 

特集は「生きる風景」と題して、東田直樹と宮本亜門の対談を中心に

発達障害についての理解を深めるための視点で組まれています。

 

専門家は「発達障害それ自体は病気ではない」として、一般的に

「精神遅滞(知的障害)」「広汎性発達障害(自閉症やアスペルガー障害)」

「ADHD」「LD」に大別されるということです。

 

こうした知識をしっかりと得ることによって、差別はもちろん、

こうした人とのすれ違いや触れ合いに際しても、偏見なく

心を開いて付き合うことができるようになるのではないでしょうか。

 

表紙も飾っている東田直樹さんのコラムは「ビッグイシュー」に連載され

ボクはその感性にマイッてしまって大ファンなのですが、

整然としたコラムの雰囲気とはまったく違った対談風景に、

かなり衝撃を受けてしまいました。

 

しかし、これが彼の本来の姿なのだ、と。

 

人との関係性を構築するためには、まずそこからでなければ

ならないはずです。それを教えられたという意味でも

この特集はかなり意義のあるものでした。


 THE BIG ISSUE JAPAN191号

5月の中旬号ですが、この表紙は韓国の歌手イ・ヒョリという人。

 

 

特集は、「いま、社会的企業。韓国の現場から」と題して、

5年前に施行された「社会的企業育成法」によって生まれた

韓国の「仕事」に対する新たな試みについてレポートしています。

 

韓国はおそらく日本以上にコミュニティの締め付けが厳しく

なかなかその枠を超えて自由な活動を始められないと思うのですが

法律を決めて、そこから無理矢理にでも風穴を開ていこうという

ことをした結果、どうなっているかということが見えてきます。

とても興味深い。

 

日本でもコミュニティを立ち上げるのはひと苦労。

維持するのはさらに苦難の道を歩まなければなりません。

この韓国の先例は知恵と勇気を与えてくれるのではないでしょうか。


 THE BIG ISSUE JAPAN192号

この表紙は、ひつじのショーンというアニメのキャラクターです。

いえ、ボクは知りませんでした・・・(汗)

 

「英国、住宅政策の光と影」という記事では、リバプールの街で起きている

古い住宅地の行政による地上げを取り上げて、その経過を追っています。

壊して新しくするのではなく、直して住みやすくするという試みも紹介。

空き家を1軒あたり約65円で売却するという例では、その条件として

「約160万円以上を家の修繕に使い、一定の年数住み続ける]ことを付しているそうです。

 

近くにはザ・ビートルズのリンゴ・スターが生まれ育った家もあるそうです。

 

「レポート被災地から25」では、原発事故現場の作業員をしていた人の

インタビューが載っています。

大手メディアの報道とはかなり乖離があり、やはりテレビ報道では限界があるな、と。

この人は今年1月の健康診断で目の角膜に白い濁りがあると診断されたそうです。

放射能の影響ということですが、彼よりも多く被曝している人がいるのが現状。

下請け企業の健康管理はずさんで、4月からは危険手当もでなくなっているようです。

 

原発は「トイレがない建物」と言われていますが、内部で用を足さなければいいという

問題ではなく、用を足してしまった内部では処理できない構造であることに

問題があると気が付かなければならないのでしょう。

 

特集は「“タネ”から考える食べ物の未来」と題して、食料問題を種子に視点を

当てて考える記事になっています。

F1種や遺伝子組み換えの不安はニュースなどで見知っていましたが、

すでに日本の農業の99%はなんらかの操作がされた種子で作られた作物が

流通し、それを毎日口にしているわけです。

無農薬・有機栽培なども重要ですが、種子にたっぷり農薬がかかっている

例もあるそうなので、消費者はもちろん、農家も安心してはいられないんですね。


 THE BIG ISSUE JAPAN194号

 

ハリウッド女優のアン・ハサウェイが表紙ですね。

アン・ハサウェイの代表作といえば、「プリティ・プリンセス」かな。

クリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト・ライジング」では

キャットウーマンを演じてイメチェン。

ううっ、観たいと思っていたのに、観ないうちに公開が終わっているみたい・・・(泣)

⇒「ダークナイト・ライジング」の公式ホームページ

こんなかわいいフィギュアが売ってるんですね(笑)

右端がアン・ハサウェイかな?

 

特集では「被災地からの手紙」と題して、3県で生活をし活動を続けている

11人の人が書いた、読者宛の手紙を掲載しています。

 

見えなかった現状を訴えるような内容に、心が揺れてしまいます。

 

忘れないこと、考え続けること。

 

 

 

 

 

 

「jazzLife」10月号 執筆後記[ジャズキュレーション]

 

 

まずは「生誕80年、没後5年」という特集記事。

誰でしょうか――、それはウェザー・リポートを作って

コンテンポラリーなジャズの歴史を変えた男、

ジョー・ザヴィヌル。

ボクとウェザー・リポートの出会いはあまりよくなくて、

1982~83年くらいの来日公演を一度見ただけ。

 

当時は「大阪ではすごく盛り上がる」という噂があって、

東京でのウェザー・リポートはリハーサル程度だなんて言われてた(笑)。

 

ジャコもいなかったし、遠くの安い席で(学生だったので)見た

ウェザー・リポートの印象は、やっぱりぼんやりしたものでしかなかった。

 

それでも、『ブラック・マーケット』や『ヘヴィ・ウェザー』は愛聴盤だったし、

すごいグループだという認識は持っていたんだけど。

実は、ウェザー・リポート解散後も、ジョー・ザヴィヌルの活動は

追っかけていた。当時から気になる存在だったのかな・・・。

解散直後の久々のソロ・アルバム『ダイアレクツ』(1986年)も

リアルタイムで買った。まだ当時はCD普及前で

アナログLPだったけど。

 

編集部から「ジョー・ザヴィヌルについての原稿を書いてみないか」

と言われて、ウェザー・リポートについてまとめるのはスペース的には

ムリだけど、彼個人のソロ・アルバムなどの業績や、エポックメイキングな

「イン・ア・サイレント・ウェイ」という曲を絡めたストーリーなら

おもしろく書けそうだと思って、引き受けることにした。

 

とても参考になったのは、彼の自叙伝。

エピソードをピックアップして、ザヴィヌルとマイルスの愛憎的な交流や

ヨーロッパ人としてのアイデンティティを強く意識していたことなどを

勝手に解釈しながら書いていく作業はとてもおもしろかった。

 

新たに資料として買い足して聴いていたのはこれ↓。

初期のザヴィヌルが、自己の音楽に目覚めたきっかけとのなる

作品と紹介してもいいだろう。

 


the MOSTインタビュー

その夜に関内のKAMOMEでライヴがあるからというので、

夕方のリハーサル後にインタビューするという予定で出かけていった。

このリハーサルについては、ヤマハのコラムにもアップする予定。

富澤えいち:記事一覧   音楽ジャーナリスト ライターの眼 ~今週の音楽記事から~   ヤマハ株式会社-153059

  ⇒音楽ジャーナリスト&ライターの眼 富澤えいち担当コラム

 

the MOSTの取材は久しぶり。たしか2nd『FORCE』のときだったから、

10年前になるだろうか。

 

12年もオリジナル主義でバンドを維持するというのは、やはり

並大抵の努力と精神力じゃできないんだろう。

静かに、しかし力強く、「勇気」というタイトルを掲げる彼らの音は、

日本のジャズを支えるために欠かせないパワーの源泉なのでは

ないかと思うのだが。


さかもと未明インタビュー

タレントとして活動しているさかもと未明が

本格的にジャズ歌手として活動を始めるということで、

デビュー作となる作品について話を聞いてきた。

 

彼女については、すでにかなりのハンディキャップがあるので、

正直に言って普通のジャズ歌手と同じ土俵で評することは

無理だろうと思っていた。

かといって、「イロモノ」の扱いをすればいいのかといえば、

それほどジャズは甘くないし、記事だっておもしろくならないだろう。

 

百戦錬磨のさかもと未明は、そのあたりもちゃんと心得ていた。

ボクからの「色眼鏡」がかかっているだろう質問にも丁寧に答えてくれて、

彼女がどれだけジャズに情熱を注ごうとしているのか

をしっかりと伝えてくれた。

 

さかもと未明の魅力は上手さではない。

ずばり、声と雰囲気。

 

なんだそんなことか――と思うなかれ。

その天性の条件が揃わずに苦しんでいる歌手志望者が

どれだけいることだろうか。

 

健康状態が心配な人だけれど、ぜひいろいろなアイデアを

実現させていってほしい。


ちょっと話は横道にそれるけれど、広告ページでこんなのを見つけた。

42,000円かぁ・・・。欲しくなっちゃうなぁ(笑)。


Disc Reviewを担当したのは次の4本。

 

サード・ストリームとはまた違ったクラシックとジャズの融合をめざす

朝比奈アイネス隆子の『ネオ・クラシック』についての情報が

ネットではゲットできなかったので、代わりに動画を貼っておく。

 

村井秀清と田中さとこの作品は、それぞれ違った視点で「旅」を

音楽にリンクさせていて興味深かった。

旅のイメージ(映像)と音楽のリンクは、安易に試みるとBGMに堕してしまう。

そうさせないために、センスと技量がかなり問われると思うんだけど、

それをかなり超えた次元で完成させている作品が並んだ気がする。

 

今月号はこれまで。

 

 

 

 

 

 

祝日のお昼を横濱元町のちょっと手前で

昨日は祝日だったので、ランチを食べるために石川町へ出かけました。

目的のお店はクオバディス。

クオバディスのホームページ

石川町から元町の入り口までの短いあいだにも、

新しいイタメシの店が数軒、オープンしていたようですが、

ウチはクオバディスのピッツァがお気に入りなんです。

 

1,500円のランチ・セットには、アンティパスト(前菜)がついてきます。

まずこれで、ワインをいただくわけです。

 

そしてお待ちかねのピッツァ。きょうはゴルゴンゾーラと

ハムやほうれん草が入ったカルツォーネを注文しました。

カルツォーネはこの店で初めて頼んだのですが、うまぁ~!

 

ピッツァは店内中央にましますこの釜で焼かれます。

ときどきパチパチと薪の爆ぜる音がして、雰囲気あります。

 

食後はカプチーノ。ヴォリュームがあったので、お腹いっぱいです。

クオバディスの外観です。広くないお店ですが、なんとなく居心地がいい。

お店のサービスもいいので、ついついまったりしちゃうんですが・・・(笑)。

 

あまり長居もできないので、ごちそうさまをして元町散策へ。

ちょっとその前に、ドラッグストアへ立ち寄って買い物です。

そうしたら、こんなものを見つけました。

いわゆる「オシボリ」ですが、ガリガリ君なんだそうです。

いえ、別に、食べられるわけじゃないでしょうけれど・・・。

 

汗臭いのは嫌だけど、それを拭うために顔中が

ガリガリ君にまみれたようになってしまうのは

いかがなものでしょうか・・・。

 

その後、中華街まで足を伸ばしました。

ちょうど媽祖廟の背後から後光がさしていたのでパチリ。

 

雨が降るかと思って長い傘とレインブーツという装備だったけど、

歩いているうちは降りませんでした。

このところ、降れば土砂降りだったので、降られなかったのは

とてもラッキーなはずなんですが、なんだか損した気分

になっちゃうのは、なぜなんでしょうね~。

こういうのを、「貧乏性」っていうのかな。改めたい考え方です。

 

 

 

 

 


 

 


 

 

イルカに託す未来の夢は音楽が創る[ジャズキュレーション]

 

宮城県気仙沼のスウィング・ドルフィンズに楽器が寄贈されたというニュース。

宮城県気仙沼市のジュニアジャズオーケストラに楽器寄贈 - 三井住友カード   ライフ   マイナビニュース-221749

宮城県気仙沼市のジュニアジャズオーケストラに楽器寄贈

 

寄贈した楽器は、三井住友カードが社内クラブ活動で以前使用していた楽器をメンテナンスしたもので、子どもたちに長く愛用してもらえるようにという思いも込め、メンテナンス用品や楽譜も併せて寄贈。このたびの寄贈が、より充実した「スウィングドルフィンズ」の活動の一助となり、東日本大震災被災地に活気を取り戻せることを願っているという。

これは企業のCSRの一環として行なわれたもののようです。

CSRというのは「企業の社会的責任」を意味する言葉。

営利企業であっても「企業市民」であるとして、その社会的な責務を果たそうという

欧米で先に取り入れられるようになった思想――というように認識しています。

 

日本では、バブル崩壊以降に一般へ広まったのではないでしょうか。

 

動画はNHKの番組で流れたスウィング・ドルフィンズの演奏風景

 

音楽には、医学的に実証されつつある物理的な効果もあります。

「趣味」の範疇を超えた効果が期待されるわけです。

 

送られた楽器が、どのような未来を作っていくのか。

 

別に、カードを使えと言っているんじゃないけれど、

経済行動と社会貢献のバランスをとっていくことによって

変えられる未来があるということも、考えていいんじゃないかと思います。

 

 

 

 

 

 

東京ジャズは燃えていたのか?[ジャズキュレーション]

 

東京JAZZ 2012 ”the HALL” [JAZZ ROOTS]@東京国際フォーラム ホールA (Joe Sample、小曽根真、Ornette Coleman 他)   K’s今日の1曲-143818

東京JAZZ 2012 ”the HALL” [JAZZ ROOTS]@東京国際フォーラム ホールA (Joe Sample、小曽根真、Ornette Coleman 他)   K’s今日の1曲

 

東京JAZZ2012のようすをレポートするブログを発見。

土曜の夜の部に行ったということですが、残念なコトになっていたようです。

ここにほんとは「Free Jazz」と呼ばれる音楽を開拓した伝説的サックス奏者、Ornette Colemanオーネット・コールマン)の名前があるはずなのに、なんと体調不良で来日中止。
オーネット目当てでチケットを買った人は多い(というかほとんどの人はそうなんじゃ?)と思うので、ほんとに残念でならない。。。

う~ん、ボクも確かに取材できたのであれば、オーネットは観たかったと思うけど、

チケットを買った人のほとんどがオーネット目当てというのは・・・。

逆に、オーネット公演中止で落胆している人の意見としては

とても共感できるんだけど(笑)。

結局、今日は小曽根真祭りな一夜でした。

こういう巻き返しがちゃんと出来るところの凄さって、

小曽根真ならではなのだなぁと思ってしまう。

 

東京JAZZでの小曽根真のステージは、新作に関連している。

上記2作がその新作。

 

余談だけど、昨夜、ディーン・ブラウンのステージで

ジェフ・ティン・ワッツのドラムを間近で観たけれど、

すごかったなぁ~音楽

 

東京JAZZ:129 小百合 Record:So-netブログ-150740

東京JAZZ:129 小百合 Record:So-netブログ

 

こちらは日曜日に出かけた「小百合」さんのブログ。

どうやらスガシカオさんのファンの方のようですね。

日本人で初、大御所とのセッションは音楽史上に残るライブです。
topさん,rufusさん,もちろんスガさんを生で見れて感動しましたし、幸せでした。
ギター、私もあんな風に弾きたい!
スガさんは、作曲家で超有名なバート・バカラックさんからお呼び出されて、誉められたそうです。
日本のFUNK masterとして、共演もお呼び出しも前代未聞でしょう!

こういう広がりがあると、ジャズ・フェスの意義も高まると思う。

そして、その「お呼び出しの件」については――。

 

東京JAZZで、バート・バカラックに呼び出しくらった件。|スガ シカオ オフィシャルブログ コノユビトマレ Powered by Ameba-151336

東京JAZZで、バート・バカラックに呼び出しくらった件。|スガ シカオ オフィシャルブログ コノユビトマレ

スガシカオご本人がブログで言及していた。

このほかにも彼は、東京JAZZのリハーサルの模様を

   東京JAZZのリハで、英語酔いした件。

で細かく書いている。日米のコンサートに対する考え方の違い

が出ていておもしろいので、ご一読をおすすめ。

スガシカオ入門編としては、まずこのベストからかな?

 

 

父親の法要

 

金曜日は父親の法要を行ないました。27回忌になります。

ボクが社会に出て、まもなく結婚して、そのすぐ後に父が入院。

半年ほどの闘病も虚しく、亡くなりました。

 

その後、ボクは会社を辞め、父の商売を継ぐ形で

なんとか生計を立てようとしました。

 

しかし、付け焼刃ではなんともしがたく、商売は母親に任せて、

ボクはフリーのライターで自分の生計を立てようと考えたわけです。

もちろんボク1人では生計が立つわけもなく、カミさんの協力でなんとか

生きながらえてきました。

 

法要はごく身内しか声をかけず、母親と妹、カミさんの父母という

少人数で執り行うことにしました。

 

ウチの菩提寺は浅草にあります。福島から東京へ出てきた祖父が

亡くなる前に墓地を買っていました。

 

きっと普段からよく浅草あたりに遊びに来ていたんだと思います。

父親はあまり出歩かなかったけど、祖父は店をほっぽり出して

あちこち遊び回っていたそうです。店は祖母が守ってました。

 

書いているうちに、自分が「おじいちゃん」に似てるなと思って来ましたよ(笑)。

 

菩提寺は別名「かっぱ寺」と呼ばれています。

敷地内に「かっぱさま」が祀ってあります。なんでも、手のミイラが

残っているそうです。ボクも遠くからチラッと見たことがあります。

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これが「かっぱさま」を祀ってあるお社。

 

法要も無事に終えて、親族でお清めの食事に出かけました。

浅草寺近くの今半別館を予約しておきました。

その前に、浅草寺にお参り。

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トイ・カメラでノーマルに撮ると、あまり面白い写真にはならないなぁ・・・。

 

そこで→

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チルトレンズで記念写真を取ってみました。

広角レンズをつけると、まあまあ構図がまとまるかな、と。

 

食事を済ませて解散。

駅までブラブラと界隈を歩いてみます。

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今半別館の人も言っていましたが、アジア系の観光客が多いそうです。

やっぱりスカイツリー人気で人でも増えているとか。

右下に写っている彼らも中国系のようでした。

 

東京メトロ銀座線で浅草から上野へ。

上野から京浜東北線に乗って磯子へ帰るルートの途中ですが、

暑いのでちょっと休んでいきましょうという目配せをしてアメ横側へ。

有名な昼飲みスポット「大統領」別館の店先に落ち着きました。

きょうは別館に縁があるなぁ(笑)。

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この呼び込みのお兄さんに「どうぞどうぞ!」と言われて

オープンデッキに着席。

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冷たいものをクイッと喉に流し込みます。

こうして無事に「暑さ対策」も講じたので、

夕方のラッシュに巻き込まれないうちに

帰ることにしました。

 

 


 

 

本田竹広の遺産[ジャズキュレーション]

 

 

宮古のお寺で「オテライブ」-ジャズピアニスト、故・本田竹広さん忍ぶ - 三陸経済新聞-155144

宮古のお寺で「オテライブ」-ジャズピアニスト、故・本田竹広さん忍ぶ – 三陸経済新聞

長根寺での「オテライブ」は、今年で4回目。同寺は、2006年に逝去した同市出身のジャズピアニスト、故・本田竹広さんの菩提(ぼだい)寺であることから「音楽を演奏することで供養になれば」と実行委員会が組織され、2009年に始まった。お寺でするライブから「オテライブ」と名付けた。

本田竹広さんが亡くなってもう6年。仏教的には7回忌ということになるのでしょうか。

彼の菩提寺である宮古のお寺で2006年から開催されているライヴも

4回目となったというニュース。

 

関係者の熱意と、なによりも本田竹広さんの「求心力」が

こうした「場」を生み出しているのでしょう。

 

本田竹広は1960年代半ばからプロ活動を始めていますが、

ボクが彼の存在を意識したのは1978年に結成した

ネイティヴ・サンというバンドでの活動。

 

たぶん、それ以前の渡辺貞夫アフリカン・アルバム群で

耳にしていただろうと思うのですが・・・。

ネイティヴ・サン、デビュー直後のライヴのエア・チェック音源のようです。

この牧歌感と疾走感の見事な融合。メロディの切れの良さ。

26分あたりから始まる「スーパー・サファリ」のエレピ・ソロはシビレます音楽

間違いなくJフュージョンを牽引したサウンドの1つであると断言できます。

 

動いているネイティヴ・サンがあったので、ついでにご紹介。

 

ボク取材したのは、彼が脳血管障害で倒れてから。

何度か「奇跡の復活」をして、訥々とした口調で熱くジャズを語ってくれました。

 

ちょうどそのころの、1995年の作品から。

ピアノ弾きというだけにとどまらない、音楽を大きな枠で捉えているような

そんな包み込んでくれるような印象を与えてくれるアーティストでした。

 

もちろん、ピアノも絶品。

1982年のFM放送の音源です。

峰厚介さんのサックスに圧倒されちゃうかもしれませんが、

そこはひとつ我慢して(笑)、ピアノのバッキングをジ~ッと聴いてください。

ゴンゴンと叩きつけるような強烈なビートを発しながら

全体の色付けを調整してくという天才肌の職人技をたっぷり堪能してください。

 

こちらは1987年の新宿ピットインでのライヴ音源。

伝説のテナー・マン武田和命との共演ですが、本田さんは武田さんのバンドが

プロとしての振り出し。そういう意味でも興味深い共演です。

ちなみに武田さんはこの2年後に逝去されました。

そのことを惜しむ文章を、当時のパソコン通信のフォーラムへ投稿したところ、

山下洋輔さんから「武田を悼んでくれてありがとう」というメッセージをいただいたことを

思い出しましたスマイル

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