前金沢市長 在職時に市内の目障りなラブホ買い取って緑地に (NEWS ポストセブン)|Yahoo!ニュース[ニュースクリップ]

ニュースではなく、『金沢の気骨 文化でまちづくり』という書籍の書評を嵐山光三郎さんが書いた文章だった。

前金沢市長 在職時に市内の目障りなラブホ買い取って緑地に (NEWS ポストセブン) |Yahoo!ニュース
著者の山出保氏は五期二〇年にわたって金沢市長を務めた。超がつくほどの反骨ガンコ市長で、国と対決して「補助金なんていらない」といったへそ曲りだ。 …

著者は前金沢市長。

兼六園や武家屋敷で知られる歴史都市に金沢21世紀美術館を作って、ルーブル美術館と合同企画展をやった。毎年、金沢JAZZ STREETを開催し、神社の境内で演奏会をする。市内にあったラブホテルが目ざわりなので、買いとって緑地にした。

数々のアイデアで金沢の街を活性化させた実績を綴ったもののようだ。

茶屋街の養成事業を助成する。料理職人塾、工芸工房を開設する。伝統工芸の金沢和傘の職人が一人だけになってしまうと、自ら「弟子入りしたい」といい出した。きわめつけは旧町名復活で、住所表示から消えてしまった11の旧町名を復活した。旧町名が復活すると、朝市がたち、清掃活動が活発になり、住人の連携が強まった。反対する人がいても信念はまげない。

反骨と反動は違う。某大阪市長は、結果を出さなければただの目立ちたがり屋だ。

山出氏もただのパフォーマンスだろうとか、業者からの見返りがあるなどといった批判を受けたことだろう。

だけど、本来は業者が菓子折りを持ってお礼にくるぐらいの効果があるアイデアを打ち出すぐらいでなければ、市長としての役に立っていないのではないか。

わかりやすい文章で、具体的な話があり、町おこしをしようとする人への貴重なテキストになります。

町おこしは、利権に加えて思惑や感情が入り乱れて、前に進めるのが難しいことを見聞きしている。

本来は、真っ先に考えなければならないはずの現地の人たちが、無関心だったり諦めムードに流されたりしている。でも、効果を直接実感できるだけに、アイデアが現実化すれば、手のひらを返したように発案者を賞賛するものだ。

手のひらを返してもらうまでのタイムラグをどう我慢して乗り越えていくのか。

アイデアだけの根性なしでは、きっと成し遂げられないのだろう(自省を含めて)。

人生訓の書として読んでみたいと思わせる内容だ。